親ガチャは成功したはずだった。
私の祖父はゼネコンの役員で都下某市にガレージ・庭つきの大きな家を持ち、
父親は某私立大学に小学校からエスカレーターで進学。
母親もその当時では珍しい四大卒。
父親が横浜市内に家(マンション)を買ったのは90年代半ば。
その数年後、祖父が死去したのと前後して
父親が家族に何の相談もなくサラリーマンの仕事を辞めて、飲食店を始めることになった。
本人の中では長年の夢だったみたい。
ご想像の通り店はうまくいかず、
店舗開設費用の借金返済が優先されたため(取り立てが厳しかったからかな)、
住宅ローンの方の返済が滞りがちになり、リスケをして少しずつ返済を続けて今に至る。
店舗費用の返済の一部に回すために祖母宅の面積は半分になってたし、
私の高校大学の学費は奨学ローンで賄ってる。
ただ残念なのは、父親は住宅ローンをどうせ完済できないと諦めてたからなのか、
銀行にはのらりくらり、期限の利益を喪失されない程度の最低限の返済しかしてなかったこと。
店を辞めてからは警備員、飲食などの仕事をしてたけど、
寝る間も惜しんでとか身を粉にしてって感じでは全くなく、
趣味の時間を確保して余裕のあるシフトで働いてた。
そんな生活を十年ちょっと続けた後、父親は倒れた。