よく主婦がパートなどで働く場合に年収103万円の壁を超えないようにすると聞きますが、これは誤解が多くあります。また、市場では長期金利が上昇し、住宅ローンの毎月の返済額が上がるのではないかと心配している人が多いのですが間違いです。今回のブログでは、これらについて正しい知識をご説明します。

 

●誤解が多い年収103万円の壁

2017年の税制改正前までは、年収103万円以下であれば配偶者に38万円の配偶者控除があり、配偶者の所得税が(38万円×税率分)少なくなりました。しかし、2018年以降では年収103万円を超えても配偶者特別控除があり、年収150万円までなら(同様に38万円×税率分)の所得控除が受けられます。(配偶者の給与所得合計が900万円以下の場合。900万円超950万円以下では控除額が26万円、950万円超1000万円以下では13万円、1000万円を超えるとゼロになる。)

 

103万円を超えると所得税(税率5%)が、100万円を超えると住民税(税率10%)が本人の所得から引かれるのは従来と変わりません。

 

●新たな106万円の壁

従業員101人以上の会社に勤めている場合、勤務時間(週20時間以上)などの条件にもよりますが、年収106万円以上になると自己負担で社会保険(厚生年金保険、健康保険)に加入しなければなりません。さらに2024年10月からは従業員51人以上の会社にこの制度が適用されます。

社会保険料は労使折半と言って、本人負担分は保険料の半分ですみますが、年間20万円前後が給料から引かれるので負担に思う人は多いかもしれません。しかし、老後に受け取る年金が増える、障害年金や遺族年金の対象になるなどメリットがあることも知っておきましょう。

 

●扶養からはずれる130万円の壁

年収が130万円を超えると配偶者の扶養からはずれ、会社の規模によらず社会保険に加入しなければなりません。会社によっては、扶養手当がなくなる等もあるので注意しましょう。また個人事業で収益を得ている人は、国民年金保険と国民健康保険に入らなければなりません。

 

●固定金利と変動金利で違う金利の決め方

昨年8月のブログにも書きましたが、住宅ローンの固定金利と変動金利では、金利の決め方が違います。固定金利は長期金利(10年物国債利回り)をベースに各金融機関が決めています。先日、日銀ではイールドカーブ(長短国債金利差)を是正するため長期金利の上限を0.5%から1%に引き上げました。これにより長期金利が上昇し、各金融機関の住宅ローン固定金利が上がりました。しかし、日銀では政策金利を従来通りマイナス0.1%に据え置くとしています。変動金利はこの政策金利をベースにして各金融機関で決めていますから、直ちに変動金利が上がるわけではありません。しばらく日銀のマイナス金利政策は続くと思われるので、あわてて変動金利から固定金利に変更しなくても大丈夫です。

前回では、投資信託の仕組みと選び方の基本を説明しました。今回は、投資信託を選ぶ際の重要な点と注意点を紹介します。また、株と同じように証券取引所に上場している投資信託として、ETF(Exchange Traded Fund)とJ-REIT(Japan Real Estate Investment Trust)についても簡単に説明します。

1.投資信託(ファンド)を選ぶ際の重要な点と注意点

 前回のブログでは、投資信託を選ぶ際には、目論見書と運用報告書(または目論見書の運用実績)を参照するように書きました。これは、投資信託の内容を確認する上で最低限必要なことです。もちろん、証券会社のホームページには人気のある投資信託が掲載されているので、そこから選択するのも一つの方法ですが、内容がわからず選択して後で後悔することにならないように気を付けましょう。

 (目論見書から確認する点)

●目的と特色・・・その投資信託が、どのような目的で組成されているか、どのような特色があるかを説明しています。例えば、外国株式インデックスファンドは、日本を除く主要先進国の株式に投資して、MSCIコクサイ・インデックスの動きに連動するように運用していると書かれています。

●投資リスク・・・投資信託の基準価格は、株価と同じように毎日上下します。証券取引所に上場してる訳ではないので、1日に1回しか変わりません。基準価格が上下する1番の理由が景気変動リスクです。リーマンショックやコロナショックでは、大きく基準価格が下がりました。2番目が為替リスクです。為替が円安に振れると、海外に投資している投資信託の基準価格は上がります。逆に円高に振れると基準価格は下がります。

●流動性リスクや信用リスク・・・純資産額が少なく、日々売買している取引量も少ないと、その投資信託がデフォルトとなって投資資金が償還されない恐れもあります。

 (目論見書の運用実績や運用報告書から確認する点)

●運用実績・・・投資信託が組成されて運用が始まったときから現在までの基準価格と純資産の推移がグラフで示されています。右肩上がりに上昇しているグラフであれば、運用がうまくいっているのが多いのですが、インデックスファンドでは基準となる指標に連動するので、基準価格は必ずしも右肩上がりとはなりません。

●分配金・・・決算(1年や半年に1度)のたびに、利益の一部を分配金として投資家に支払います。ただし、支払った分配金だけ基準価格は下がります。なので、利益が出ても分配金を支払わない投資信託もあります。また毎月分配型は、毎月基準価格が下がり続ける恐れがあるので注意が必要です。

 

2.ETFとJ-REIT

●ETF・・・証券取引所に上場していて、株と同じように取引できる投資信託です。インデックスファンドが多く、アメリカ株のS&P500やナスダック100、日本株の日経225やトピックスに連動するインデックスファンドなど多数あります。信託報酬(日々かかるコスト)が低く、日銀が大量に購入しています。

●J-REIT・・・REITとは不動産に投資している投資信託で、J-が付いているのは日本の不動産に投資して、日本で組成されている投資信託です。多くがETFと同じように証券取引所に上場しているので、株と同じように売買出来ます。利益の90%以上を投資家に還元すると法人税が免除されることから、分配率が高いのが特色です。

 iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAを始めてみようと口座を開設しても、投資するのにどんな投資信託(ファンド)を選択したら良いか分からないといった悩みもあるようです。そこで、今回は投資信託の仕組みと選び方の基本を紹介します。

 

1.投資信託(ファンド)の仕組み

●投資信託(ファンド)とは、多くの投資家から資金を集めて、その資金をもとに投資信託委託会社(XXアセットマネージメントなど)が株式や債券、不動産等に投資して運用し、その運用益等を投資家に還元する金融商品です。

●投資信託は、証券会社や銀行等の多くの金融機関で取り扱われています。その中でもインターネット専門の証券会社(SBI証券、楽天証券、松井証券など)が手数料が安く、扱っている商品数も多いです。

●投資信託では、10,000口(最初の発売時に1口1円、10,000円から発売される場合がほとんど)当たりの財産価値を基準価格といい、投資家はこの基準価格をもとに売買します。株式でいう株価に相当するものです。運用がうまく、利益がでている投資信託は基準価格も上昇します。ただし、毎月分配型のように常に配当として投資家に分配している投資信託は、分配した分だけ基準価格は下がります。

また運用がうまくいかず、その財産価値を損ねる場合も基準価格は下がります。

基準価格は1日の相場後に1回だけ変わります。購入する際には、金額を指定するか口数かを選べます。

 

2.投資信託(ファンド)の選び方(基本)

●目論見書・・・投資信託を販売する場合には、その投資信託がどのようなものに投資しているか、どのような投資方針で運用しているかを投資家に開示しなければなりません。その内容が書かれているのが目論見書です。目論見書を見れば、その投資信託の特色や基準価格の推移の他に、どのような投資リスクがあるかなどが全て分かります。

●運用報告書・・・決算期毎に、運用実績(基準価格の推移等)がどうであったか、分配金がいくらかなどを投資家に開示しなければなりません。目論見書のなかに入れて発行するものと、独立して発行するものとがあります。決算日の分配金が毎回ゼロ円でも、基準価格がどんどん上昇している投資信託は優秀な投資信託と言えます。

●販売手数料と信託報酬・・・販売時にかかる手数料はゼロ円のものが多くなっていて、「ノーロード」と書かれています。信託報酬(率)は、運用会社や販売会社等が経費としてかかる費用を、その投資信託の財産から引く割合を言います。この信託報酬が低い方が、経費がかからずに運用されている良い投資信託と言えます。インデックスファンドでは0.1%前後、アクティブファンドでは、1%~2%程度が多いです。

●インデックスファンドとアクティブファンド・・・インデックスファンドとは、目的とする指数に連動するように構成されているファンドです。例えば、日経225インデックスファンドやS&P500インデックスファンドなどがあります。前者は日経新聞社が日本を代表する225銘柄を選んで株価の平均値を公表していますが、その株価に連動するように投資銘柄を組んだファンドです。後者は米国のS&P社が選んだ米国株500社の株価平均値に連動するように組まれたファンドです。一方アクティブファンドとは、ファンドマネージャーがその投資方針に沿って選んだ株や金融商品に投資するファンドです。例えば、eMAXIS Neo バーチャルリアリティとかグローバルAIファンドなどがあります。前者はVR関連の株に集中して投資しているファンドで、後者はAI関連の世界中の株に集中して投資しているファンドです。