最近テレビや新聞、WEB広告などでこのようなセールストークを見聞きしませんか?
「資産形成は早めにやりましょう!」
「複利効果を高めるためには20代から資産形成を!」
「老後資産は20代から考えるべき!」
私は毎回こう思います。「うるせーよ」と。
元々金融機関に勤めていた経験があり、今でも資産形成の相談を受けている私が、なぜこう思うのかをお伝えさせてください。
資産形成が必要ない人もいる
引用元:資産形成の基本|金融庁
まず資産形成は読んで字の如く「資産を形成する」ことを意味します。それではなぜ資産形成が必要なのでしょうか?
銀行最大手の三菱UFJ銀行によると、下記の様に記載されています。
「少子高齢化や物価上昇など、お金を取り巻く不安もさまざまです。公的年金だけでは、 豊かなセカンドライフは実現できません。安心して、暮らしを楽しんでいくためには、しっかりとした資産形成が必要です。」
引用元:三菱UFJ銀行|どうして資産形成が必要なの?
まあ、そのとおりだとは思います。しかし、この短い文章だけでも私は3つの疑問を覚えてしまいます。
- 「豊かなセカンドライフ」→豊かさは人それぞれでは?公的年金の範囲内でも豊かな生活はできるのでは?
- 「安心して」→人によって安心を得る方法も尺度は違うのでは?1人の方が安心な人もいれば、家族が多い方が安心する人もいる。それによって必要なお金って変わるのでは?
- 「暮らしを楽しんでいくためには」→暮らしを楽しむってなに?ニートや生活保護受給者でも暮らしを楽しんでいる人はいる。資産形成を一切してなくても暮らしは楽しめるのでは?
揚げ足取りのように聞こえるかもしれませんが、1人でも人生を謳歌している人もいれば、ニートでも何一つ不安なく幸せに暮らしている人もいます。極論ではなく、普遍的な事実としてです。
つまりなにが言いたいかというと、「資産形成の必要性は、その人の価値観による。資産形成が必要ない人もいる。」
ということです。
資産形成が必要な理由は人生の選択肢を増やせることにある
価値観(人生観)によっては資産形成が必要ない人がいるとは言え、実際にはお金は多ければ多いほど出来ることが増えますよね。
引用元:浜松いわた信用金庫
明確に「将来こういう人生を送りたい!」と目標が決まっている人は、その目標に必要な資金を貯めるために資産形成が必要でしょう。
また、「とくに将来やりたいことがない」「今目の前を生きるだけだけで精一杯」という人も、将来の選択肢を増やしておくという観点では、出来るだけ資産形成をしておいた方がいいです。
将来の自分に制限をかけないために、なんとなくでもいいので資産形成について考えておくことは、有意義ではあります。
その上で、「将来そんなにお金必要ないな、月10万円ぐらいで生きていけそう」となれば、資産形成なんて考えなくていいのです。
資産形成を始める前に考えておくべき3つのこと
色々な考えの人がいるとは言え、多くの人は結婚、出産などで家庭を持ち、老後は家族で自由に暮らしたいと考えていると思います。
そのため、一般的には資産形成はしておいた方がいいのは間違いありません。問題は「どのように資産形成をするか」ですが、その前に、考えておくべき3つの観点を共有させてください。
1.なにで幸福を感じる人間なのかを振り返る
資産形成の目的は「将来豊かに暮らせるだけの金銭を作ること」です。ここでポイントとなるのは、何をもって豊かなのか、つまり「自分はどういうとき、どういう生活に幸せを感じる人間なのか」を振り返ることです。
- 彼女・彼氏と一緒に家でゴロゴロしていたとき
- 家族と海外旅行やホームパーティーで楽しんでるとき
- 友達と合コンや夜遊びでわちゃわちゃしてたとき
- 趣味の音楽や読書を無心で楽しんでたとき
一方で、家族やパートナーと一緒に出掛けている時間に幸せを感じる人であれば、将来自分も家庭を持ちたいと思うはずです。そのためには、結婚費用、育児費用、教育費用なども考慮しないといけません。
「将来のことなんて何も決めてない」という人であっても、過去自分がどんなときに幸せを感じていたかぐらいはわかるはずです。
過去の経験から将来の自分を幸せをいったん仮定してみて、そこにかかってくるであろう資金をシミュレーションしてみるところから、資産形成のスタートとなります。
2.周りと比べないことができるか(資産形成は親ガチャ要因が大きい)
実は資産形成の難易度には、親ガチャがかなり影響します。
有名企業の社長一家や医者家系であれば、自分はなにもしなくても、親からの相続だけで一般的な老後資金を準備できる可能性がありますよね。
一方で、一人っ子で親が要介護状態であったり、親から仕送りをお願いされるような家庭であれば、同世代よりも経済的なハンデを背負った状態で自分の資産を形成することになります。
親の経済力や健康状況、兄弟の有無などによっても収支は大きく変わってくるので、他の人と比べないことが大切です。
「年収が一緒の会社の同期がつみたてNISAを満額やってるっぽいから、俺もやってみよう」
「先輩がワンルームマンションを買いまくってるから、自分も不動産投資を始めてみよう」
周りの人を参考にするのは有意義ですが、何も考えずに脳死で周りの人と同じ方法で資産形成をしてはいけません。
その同期は実家が太いからつみたてNISAを満額出来る余裕があるだけで、あなたはご家族に万が一があっても経済的余裕がありますか?生命保険も考慮すべきではないですか?
先輩がワンルームマンションを買いまくっているのは、老後は大家業で生計を立てるつもりだからではないですか?あなたもそうですか?不動産投資のリスクをしっかり調べましたか?その先輩はこれまでの自分の投資を肯定するためにも偏ったアドバイスしかしないでしょうけど、アドバイスを聞くのは先輩からだけで十分ですか?
他人の人生観や資産形成の経験を参考にするのは有意義ですが、あくまで参考程度にとどめておくべきです。比べないようにしましょうね。
3.自己責任で投資できるのか?
あなたの人生ですから、あなた自身しか責任をとることができません。家族や友人は心配はしてくれるでしょうが、あなたを老後まで無償で面倒みてくれることはありません。
何が言いたいかというと、自分の判断と人生に責任がもてるかどうかです。
「営業員に言いくるめられて株を買ってしまった」
「親が心配だったから保険をかけてたけど結局無駄金だった」
「家族の将来のために不動産投資してたけど損してしまった」
資産形成で失敗をしたら他人を責めたくなる気持ちはわかります。しかし、その投資を判断したのは自分です。だれもケツを拭いてくれません。そりゃそうですよね、あなたの人生なのですから。
資産形成はあなたの人生を左右する決断ですから、一生懸命勉強すべきです。その担当者(営業員)が本当に信用できるのか悩みぬいた方がいいです。後悔しないように。
「うん、一生懸命考えた!失敗しても後悔はない!」という決断ができて、はじめて資産形成商品を買うべきですね。
資産形成に正解はない、だから自己満でいい
資産形成は、ある意味ではその人の人生観を表しています。自分のライフプランに必要なお金を貯める作業ですから、価値観そのものを反映していると言えるでしょう。
そこに正解も不正解もありません。その人の人生を否定することになりますから。だから自己満でいいんです。外国株だけに全部投資するでも、必要最低限の保険だけでも、なんでもいいんです。
あなたの価値観を否定する権利はだれにもないのですから。





