さっき猫が死んだ
病気で骨と皮だけになって、肉球は腫れ、毛が抜けた。
感覚がないのか、筋肉がないのか、後ろ足を引きずるようにして歩いていた。
今日はやっとのことで立って、ぷるぷると震えていた。
抱きかかえただけで骨が折れてしまうんじゃないかと思うほど痩せこけ、
安楽死さえもずっと前から覚悟していたこと。
車に轢かれて即死してしまったほうが、もしかすれば楽だったのかもしれない。
こちらとしても、苦しそうな姿を見続けるよりは楽だと思ったこともある。
それでも猫は頑張っていた。
だから私も家族もそれに応えて見守り続けた。
そして、今日、さっき死にました。
路上に放り出してカラスに突かれるのも、土に埋めてバクテリアが分解するのも、
あるいは水の中に入れて魚のえさになるというのも循環という点では同じだと考えたこともある。
死体になってしまえば、それはただの死体だ。
そういう考えだった。
それでも死体を抱きかかえると、丁寧に扱ってあげたいという気持ちが出てきた。
頑張ったねと、自然と言葉が出てきた。
死体には届かない、あるいは生きてるときでさえ猫にはわからなかったかもしれない。
それでも思わず声が出た。
すでに腐敗は始まっているだろうか。やがて土へと変わるのだろう。
避妊手術をしたから子供はいない。
生きている理由が種の保存だけならば、なんて意味のない命だったのだろう。
今日、猫が死んだ。