随分と前にブリュッセルの方に住んでいる人とブログを通して知り合いになり、半年に1度くらい食事をするような間柄になった。今考えると、ド庶民の私と超がつくほどの富裕層の彼女にはとてつもない開きがあった。一体いくつ家があるだろうというくらいベルギーや東京にいくつも家を持っていて、しかも現金払いだったという話を聞いて、思わず飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになった。

しかし、私は何より彼女が早くから自分の専門を学び、そして働いて自立している事にとても興味を持っていた。どんなふうにして頑張ったのか、どんな障害を克服したのか、そんな話を私は聞きたいと思った。私の旦那って稼ぎがいいのよ〜、見てブランド品買ってもらっちゃったぁとか、私の子供クラスで一番なのって言われても、私は白けるだけだ。

 ところが、彼女もどんどん自分の生活を犠牲にしても、ご自分のお子さんのために全神経が集中されていったようで、私は彼女のスーパーエリートのお子さんの話をどう返答していいのか分からず、間抜け面して聞くだけとなっていた。

多分私の間抜けづらを見るのが嫌になったのだろう。私が仕事の都合でキャンセルして、それでも何度か私からお誘いしたが、何も返事は来なかった。

 あれから何年も経って、最近スーパーエリートのお子さんのために力になってくれませんかという依頼のメールが来た。申し訳ないけど、そのメールは削除した。私に手伝えることはないし、やはり生活レベルが違いすぎてついていけないなと思った。

社交的ではないオバチャンが海外の田舎に住みつつ、気の合う日本人の知り合いを作るのは本当に大変だ。