今回もくんちゃん。今回は8名でアリーナ半分しか使用できず、本当に狭い。
しかもデカゲイ、金髪ビッチの他に駆歩で競争を始めるおっさんもいて、がっかり‥。おっさんの中学生くらいの娘さんは、自分は上手だと言って偉そうにしているデカゲイより上手なのにね‥。

 くんちゃんは一日中牧草地で休んでいたらしい。実は先生が厩舎に戻るように指示しても、くんちゃんだけ拒否して一頭だけ残っていたそうだ。しかも泥だらけでどの馬よりも真っ黒になって、いつも持参しているブラシ5本がすべてドロドロ‥。

 これだけリラックスしても、常歩はどの馬よりも遅くのんびりしていて、先生から何度も喝が入る。くんちゃんは駆歩するまで、エンジンがかからないあせる

 軽速歩は前屈みにならないように気をつけて、くんちゃんがずるしないように隅をまわるようにさせる。
金髪ビッチが軽速歩の間中、馬を蹴っていたのを先生が見つけて、『馬が反応しなくなるし、怠惰になるから』と止めるように指示。
 金髪ビッチは明らかに私と同じレベルなのに、馬場馬術競技に参加している(おそらく最初のBレベル)デカゲイと同じレベルのつもりでいるらしい‥。

 正反動は、くんちゃんのゆっくりな動きのおかげでうまくできるようになった(と思う。)
すっかり体が温まったところで、常歩、軽速歩と駆歩の指示が交互にでる。
今までトロトロしていたくんちゃんのエンジンが、ようやくかかり始める。
 駆歩では馬を押し出すように動くこと、かかとは下、軽速歩に移行するときには前のめりにならないということに注意しながら、くんちゃん独特のゆっくりな駆歩を楽しむ。時計周りだとくんちゃんの駆歩はさらにゆっくりになり、余裕音譜 しかし、その横を金髪ビッチが横切り、おっさんの馬の鼻先がくんちゃんに触れんばかりに近づいて来る。
この二人は早く走らせることにだけ集中していて、他人が見えない。

 ここで、2つのグループに分かれて10メートルの円を駆歩でまわる練習。ところが同じグループのデカゲイが自分の馬の調子が悪いと何度も途中で駆歩を止めてしまい、連続でまわれない。しかもこのクラスの生徒の誰かの子供が興奮してアリーナに入ってきて走り回り、近くまでやってくる。
『危ないよ、このくそガキ』と叫びたいのをぐっとこらえ、仕方なく子供が通り過ぎるのを待つむかっ
デカゲイとガキに何度も中断されながらも、体を内側に傾かせて、くんちゃんをコントロールすることに集中。先生から今までで一番いい動きがでてきたとお褒めの言葉を頂いた音譜


 そういえばベルギー人にかぎらず、他人に惜しみなく褒める人がここではとても多い。乗馬だけでなくオランダ語の先生もよく褒めるし、生徒同士でも実によく褒め合っている。
小さな小物ひとつでもスマートに褒め、『ありがとう、あなたの○○も素敵よね』とさらりと返す。だから私も他人に惜しみなく褒めるようになったし、他人の賞賛に普通に返せるようになった(と思う。)
 ところが、これをベルギーに長年いるような日本人に対して同じように褒めても、『あら、そう。』で終ってしまうばかりか、私自身が見下されるようになる。


 
 駆歩の練習のあとはいつものジャンプとなり、私は汗びっしょりのくんちゃんと常歩でアリーナをまわり始めた。興奮した子供は、自分もジャンプがやりたいといい、母親から馬を取り上げて、参加し始める。ここでもう、レッスンはグダグダしてきて、終了。

 厩舎にもどったくんちゃんは、あっと言う間に持参した2キロの人参を完食。厩舎には他に10頭以上の馬がいて、みんな催促していたのに‥まさかくんちゃん1頭が全部食べるとは‥。
他にキャベツも持ってきたが、どの馬も食べず汗

 くんちゃんにむぎゅっと抱きついて帰ろうとしたところ、先生から、馬を放牧するから、手伝ってと言われて、横道に入らないように手を広げて立つ。
 先生が一つ一つドアを開けていくと、馬たちは嬉しそうに月夜の闇の中に駆けていく。その風景を眺めていると、私の心の中すべてが浄化されていくみたいだった。
馬の持つ力は、やっぱりスゴイのだ。


馬場馬術でのレベルアップのお話。彼らは私も使っている(夫のお古)スイスのサドルメーカーSTUBBENがスポンサーとなったおかげでかなりお金かけるようになりましたね。


 先生に私の馬が欲しい音譜と言ったところ、買うまでに少なくても10回は乗るべきと言われました。
きっとこんな動画の感じになるのかな‥。