ことの始まりはこのシャンさんです。去る6月12日、つまり新華社が朝日新聞の記事を翻訳して配信した翌日ですが、朝早く電話が鳴りました。女性で早口に自己紹介したあと、「北京に来て、面対面に出演してほしい」と、何のことか、朝のボーとしているところへすぐに飲み込めません。北京の三聯書店に聞いてくださいと逃げました。そしたら新書発表会のため北京訪問の日程が決まりました。
到着した翌日に面対面の録画が組まれていました。頭はまだ中国バージョンに切り替えられていないのに、「ここに座ってください。マイクをつけます。音を調整します。123とくりかえしてください。」とスタッフに言われるままにこなしました。董さんは付箋がいっぱい貼ってある拙著の中国語版を手にして二三質問して来ました。本がまだ出て三日ぐらいなのに、もう読みこなしている感じ。「ちょっと緊張してます」と言ったら、「すぐに忘れますよ」と言う。そう言われると本当に気が落ち着いてきて、だんだんすわってきました。
本番が始まったら、董さんの口が早いこと、小生はまるで鳩に豆鉄砲、タジタジでした。
そんな私でも一手を残して、董さんをびっくりさせようと思いました。いよいよ終わる頃に見計らって、
「董さん、東京からプレゼントを持ってきましたが、受け取ってくれますか」と私が言うと、董さんは「なんですか」と言って意外と落ち着いていました。
私はバッグから「戦争させない」「九条を壊すな」というステッカーを取り出して渡しました。
最後に、「本にサインして」と求められ、(ありがとう 中国)と書きました。
これが昨晩再放送されました。