コイバナ
恋花
「嫁入り支度」
本来の嫁入り支度
と言われるものとは少し違い
彼の元へ嫁ぐ前に
しておきたい支度が
私にはありました
それは
彼のお母様の元で
お料理の味を教えて頂く
という事でした
嫁いですぐに
彼が食べて来た味に近い物を
作ってあげたいと思って
いました
私は母の味で育ち
母の料理が
とても好きでしたが
神戸生まれの母は
九州の味を
「神戸の味とは違うわ」と
よく言っていました
お正月のおせち料理や
お雑煮が友だちのお家とは
違うことを
中学生の頃に知りました
美味しいものは
誰にとっても美味しいと
思うのですが
「家庭の味」となると
またちょっと
違うかも知れない
と思いました
彼にその事を話すと
彼は「俺は何でも食べるから
気にしなくていいよ」と
言ってくれましたが
でも…父と母の
料理の味付けの好みの違いで
父があまり食べない時もあり
その事が
幼い私の記憶の中に
残ってしまったようなのです
ですから私は彼のお母様に
お願いをしてみました
彼のお母様は
すぐに、ご快諾くださり
私は仕事の休みの日の
夕食で教えて頂くことに
なりました
やはり
お吸物、お味噌汁、煮物等の
味付けは
母とは随分と違ったもの
でした
まず、お醤油が違いました
九州の濃くて甘味がある
お醤油を
御料理に初めて使いました
嫁ぐ2ヶ月前から8回
彼の実家へ伺い
習わせて頂きました
家庭によって
お漬物の切り方一つからも
違うことを知りました
そして彼のお母様が
お作りにならない料理も
知りました
例えば
ちらし寿司はお作りだけれど
巻き寿司はお作りにならない
うどんは大好きだけど
スパゲティは召し上がらない
ぼた餅や善哉はお作りだけれど
洋菓子はお作りにならない
私の母は
ちらし寿司も作るけれど
巻き寿司も作る
善哉は作らないけれど
ケーキやクッキーは作る
ミートソースは作るけれど
うどんは好きではない
など照らし合わせながら
私が新しい家庭で作る
お料理やお菓子として
両家のものをじょうずに
取り入れて行きたいと
思いました
彼の妻になって
彼が育って来た味と共に
私が育って来た味も
工夫しながら調和させて
彼と私の温かい家庭の味が
出来上がったなら
どんなに良いだろうと
思っていました
それが
私にとっての
嫁入りをする前の大切な支度
「嫁入り支度」
なのでした
彼の元へ嫁ぐ日も
もうすぐ**♡
つづく
**・*・*・*・*・**
色相環で
正反対に位置する関係の
色の組み合わせを
補色と
言いますが
その補色は
使い方によっては
とてもおしゃれになったり
美しい色彩調和が
生まれます
紫と黄色の補色の花々が
とても美しく調和して
咲いていました
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生