コイバナ
恋花

「4番目の人」



心が痛いと感じるとき
恩師からの大切な言葉を
私の胸の引き出しから
取り出しては
感謝を深めました


そして


私は彼に対して
一生誠実でありたいと思う
自分が生まれていることに
気付くのでした






5年ぶりに


高校の同窓会があり
とても楽しいひと時を
過ごしていました


同じテーブルでは
銀行に就職して
19歳で結婚していた
気立ての良いCちゃん



1才の女の子を抱っこして
おなかに二人目の
赤ちゃんがいる
明るい笑顔のNちゃん


高校卒業と同時に
塾の先生と結婚した
優しいTちゃん


百貨店に勤務して5年目で
婦人服の売上げ上位の
頑張り屋のF子ちゃん


とても久しぶりで
みんなの話しが楽しくて
時間を忘れるほどでした


飲み物を取りに行った時
同じクラスだったけれど
あまり話しをした事がなかった
K代さんがいました


目が合ったので
私は少し微笑んだように
思います


するとK代さんが
「結婚するそうね」と
言いました


私は飲み物を
注いでいた手を止めて
K代さんの顔を見ました


親しくはないK代さんが
なぜ知っているのか
分かりませんでしたから…



「どうして知っているの?」
と私は聞きました


するとK代さんは
「友だちに聞いたのよ。
私、あなたが結婚する人と
高2の時に付き合ってたの」


私は何と言っていいのか
分からずに
黙っていました。


するとK代さんは
「私は2番目だったけど
あなたは
4番目の人みたいね」と
言いました


そのことにも
やはり返事のしようもなく
私は黙っていました


K代さんは
「気に障ったらごめんね。
でも、お幸せに。
私も結婚するのよ」と
言うと両手に飲み物を持って
行こうとしました


私は慌てて
「おめでとう。お幸せに」
そう言っていました



席に戻り
残りの時間を惜しむように
また皆んなの話しの輪に
入りました






その夜
日記を書きながら
K代さんの言う4番目の人が
もしも私ならば
本当に良かったと
思いました


私の幼なじみで
彼の先輩でもあるRくんが
彼が私を好きになったと言う
麦茶の話しをしてくれた時

「京子ちゃんも知っていると
思うけど
Mはとにかくモテる。
今までも2〜3人と
付き合っていたと思うよ。
でも
もう知らなくていいよね」と

そう言って笑ったことが
ありました



私はその話しを思い出して
「私は最後の人」なのね
と、思いました


だから
4番目の人で
本当に良かったと
心から思いました



次の日は日曜日
彼から電話がありました

「昨日は同窓会どうだった?
友だち皆んなに会えた?」
と彼の明るい声



私は彼の質問に答えずに

大好きよ」って

言ってしまいました







つづく







**・*・*・*・*・**


誰かを
信じたいと思った瞬間
信じるという意味は
もう無くなっている
ように思う


信じていることさえ
気付かずにいた自分が
とても嬉しい






女はであれ
賢く優しいとなれ

**+.° ♡ °.+**














一瞬


一生