コイバナ
恋花

「かわいい博多弁の彼女」



彼のお母様とお会いして
結婚をすると言うことを
「嫁」と言う言葉で
あえて教えていただく事で


私は幸せになる
覚悟が出来ました


私が22歳
彼のお母様が45歳の時
でした






彼と私の文通は
変わらず続いていました
こんなにも書くことが
あるんだねと
お互いに笑いながら


思いを文字で綴ることで
自分自身の気持ちを
一つ一つ
確かめる事も出来るように
感じていました


そして私は
彼の字が
とても好きでした


彼は横書きで
早いのに綺麗に書いた文字で

私は縦書きで
ゆっくりと書く文字です


彼と私の間で
繰り返される文通は

まるで
カタンカタンと
機織りのように

縦の糸と横の糸が交差し
ゆっくりと
時が重なりながら

丁寧に織られてゆく様な
そんな感じさえ
していました


お互いに会える日を
とても楽しみに
日々の仕事に打ち込みながら
先に希望をもって
過ごしておりました


そして
また数ヶ月後
彼と会える日が訪れて

この日は
Rくんたちとも
一緒に会いました


なんとRくんに
結婚を考えている彼女が
出来たと言うことで

彼も私も
とても楽しみにしていました


Rくんは
それまでも彼女さん数人
私たちは知っていますが
Rくんの口から
結婚の言葉を聞いたのは
初めてでした。



初めてお会いする
Rくんの彼女の可愛らしさに
とても頬がゆるみました


お顔も背丈も小さくて
黒髪がサラサラの
まるでお人形さんみたいな
彼女は2つ年下の
名前はNちゃん



お話しをしていて
更にNちゃんを可愛らしいと
思ったのが言葉でした



「京子ちゃん、Nとも
仲良くしてやってね」と
少し照れながらのRくん

そして
「今日はNがサンドイッチ
沢山作って来たらしいから、
みんなで食べよう。
ね?N、そうやろう?」

Nちゃん
「うん。美味しいなら
よかばってん…
食べてください」と
にっこりと微笑みました


私、なんて可愛らしいの。
と、思わず彼と顔を
見合わせて微笑みました


そしてRくんが
「Nは博多弁オンリーよ、
かわいかろう?」と
言って笑いました


声を文章で表現できないのが
とても残念ですが
声もまた可愛らしくて
博多弁が可愛く聞こえます




私は
「Nちゃんに会えてとっても
嬉しいです。
これからずっとよろしくね」
と言いましたら


Nちゃんは
「RさんからMさんと
京子さんのこと
いつも聞いとったけん
楽しみにしとったとよ」と
言ってくれました


人なつこい話し方と
可愛らしい笑顔に
私はまるで妹のような
気持ちになりました


そして
彼女が作って来てくれた
沢山のサンドイッチも
とっても美味しくて
きっと可愛いい良い奥様に
なるのねと思いました



Rくんが
「そう言えば京子ちゃんの
博多弁は聞いたことないね
話せる?わかる?」
と言いましたので


私は
「もちろん、わかるよ。
咄嗟には出て来ないけど
話せるよ、多分!」
と言いました


するとRくんが
サンドイッチを指して
「これ食べていいと?」って
言ってみて、と言います


私は
「これ食べていいと?」と
言いました


すると途端にRくんが
大きな声で笑い出しました


私はなぜRくんが笑って
いるのか分からずに
「え⁈アクセント変だった?」
と言うと


Rくんが
「こいつバカやん!」と
言って彼を指して
言いました


隣りにいる彼を見ると
彼はニコニコと
笑っているだけです


Rくんが
「京子ちゃん、もう1回!」
言いますので

私はもう一度
「これ食べていいと?」と
言いました

するとRくんは
「こいつー!
やっぱりバカやーん!」
と言って

Mくんを指して
さっきより一層大きな声で
笑いました


笑っていないのは私だけです
Nちゃんも笑っています

するとRくんが
「京子ちゃんの博多弁に
Mが目尻下げとうとよ、

お前、どんだけ
京子ちゃんば好いとるかは
知っとうばってん
いいかげんにしとかな!」
と言うことでした

博多弁を標準語に出来ますが
日記のまま書くことにしました
意味が分かりにくいかと存じますが
ご容赦くださいませ


そう言われて彼を見ると
ニコニコと
私を見ています


私は彼に
「これでいいと?」
と聞くと

彼は
「うん。かわいいよ」って
言いました

(〃▽〃)



そんな彼を見てRくんは
「おまえ、いいかげんに
せんかー!」と
言ってまた笑いました


博多弁は女の子が使うと
可愛らしい言葉
なのだなあと
Nちゃんと出会って
改めて知りました





つづく





**・*・*・*・*・**


言葉って

とても大切なのね

私たち花には

言葉はないけれど

姿と色で

虫さんには伝わるね

もしかしたら

人にも何か伝わっている

かも知れない





女はであれ
賢く優しいとなれ

*+.° ♡ °.+**













一瞬


一生