コイバナ
恋花
「彼のお母様と私」
母は彼が料理を
しっかりと沢山食べる姿を
見ると
安心したかのような
表情を見せました
私は彼が嫌な思いを
するのではないか
お料理が口に合わない時は
無理しないで欲しいとも
お願いしていましたが
彼はどれも本当に
とても美味しかったし
料理を作って下さって
とても嬉しかったのだと
言ってくれました
母と彼に心から
感謝しました
そして
私は美味しい料理を作り
家族みんなで
賑やかに食卓を囲みたい
という思いがまた強くなり
ました
*
次の彼の外出休暇の時に
今度は私が彼のお母様と
お会いさせて頂く事に
なりました
彼のお母様とは
地域のお祭りなどでも
何度かご挨拶をさせて
頂く機会もあり
初めてお目にかかる分けでは
ありませんでしたが
とても緊張していました
*
お茶を出されて
ご挨拶をしましたら
「ぜんざい好き?」と
聞かれました
私は「はい、好きです」と
答えました
すると彼のお母様は
「それは良かった
たくさん作ったから
遠慮しないで食べてね」と
気軽な感じでおっしゃり
お話しをしている間に
とても気さくなかただと
思いました
電話が鳴り
彼が席を外しました
お母様が
「Mは優しいでしょう?
とっても良い子でね。」
と仰ったので
私は「はい」と答えました
すると
「でも、あなたのような
お嬢様を選ぶなんてねぇ…
うちは親戚も多いし
おさんどんが大変よ、
嫁として大丈夫?」と
おっしゃり
私は「お教えください。
努力いたします。」と
答えました
するとお母様は
黙っておられました
彼が席に戻って来ると
「話しは弾んでる?
お母さん、京子ちゃんを
よろしくお願いします」と
彼が言いました。
お母様は
「はいはい、」と
おっしゃいました
そこへ
おばあちゃまがいらして
「あら、いらっしゃい。
可愛いお嬢さんねぇ」と
優しい笑顔をくださり
彼の小さい頃の話しや
アルバムを出して
見せて下さったりと
場を和ませて下さいました
一緒に食事の片付けを
済ませて挨拶をし
彼の実家を後にしました
私が気を使って
疲れたんじゃないかと
送ってくれる車の中で
彼が言いました
私は
「おばあちゃまにも
お会いできて
とっても嬉しかった」
と言いました
彼が駐車場に
車を取りに行っている時に
玄関先で一緒に
待っていて下さった
おばあちゃまが
「Mは京子さんを
とっても好きなのよ。
あの子の嬉しそうな顔を
見せてくれてありがとう。
Mを宜しくお願いしますね
何か思うことや
困ったことがあったら
何でもおばあちゃんに
言ってちょうだいね」と
おっしゃって下さり
心の中が温かくなりました
そして私は
彼のお母様とお会いした事で
嫁になるという覚悟も
出来たのでした
つづく
**・*・*・*・*・**
どんな時にも
寄り添う気持ちがあれば
もうそれだけで
優しく強くなれるから♡
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生