コイバナ
恋花
「約束」
Rくんからの又聞きが
すごくすごく
嬉しかった私でした
友だちのM美ちゃんに
その事を
話しました
私「麦茶を作っている私を
見ていてくれたらしいの。
それで分かったのよ。
美人でも綺麗でもない私を
なぜ好きになってくれたのか
本当に分からなくて。
麦茶って言うのも
なんだけど
でもそれでいいのなら
納得できたの」と
言う私を見ながら
M美ちゃんは
楽しそうに笑ってた。
そして
「良かった。私が男でも
やっぱり京子のこと
好きになってたと思うもん。
Mくんって
目の付け所が違うわー」
「M美ちゃん
褒めすぎだって、
甘いもの何がいい?」
と笑う私に
M美ちゃんは
「今日もいっぱい
のろけを聞いたからさ、
ホットケーキご馳走に
なろうかなー」と
言って笑った。
**
やっとやっと
久しぶりに彼に会える日
外出許可が出たと言っても
日帰りなので
限られた大切な時間
賑わう博多駅の改札口で
彼の姿を見つけたとき
彼が私に気付いて
白い歯を見せて笑ってくれた
とき
たくさんの人たちも
ざわざわとした話し声も
もう何も見えず
何も聞こえませんでした
私の瞳には笑顔の彼だけが
映っていました
会える時間は3時間
映画を観る事さえも
もったいないと思いました
彼の話しをたくさん
聞きたい
彼の笑顔や姿を
時間の限り見ていたいと
そう思っていました
人混みをかき分ける様にして
静かな喫茶店に入り
ほっと向き合ったときに
彼が私の思っている事と
同じことを言いました
「京子ちゃんの話しが
いっぱい聞きたい。
時間の許す限り京子ちゃんの
笑顔や姿をしっかりと
目に焼き付けて帰りたい」と
彼は言いました。
お互いに同じことを
思っていたことが
とても嬉しかった。
私は
まずは先に彼のことを
聞かせて欲しいとお願い
しました
彼は
毎日がハードな
体育の授業みたいだ
と言うことや
覚えることが凄く沢山ある事
食事のこと、お風呂や
起床、就寝のこと
友だちになった人たちの事
そしてそれら全てが
とても充実していると感じて
いると話してくれました
私は彼の話しを聞いて
とても嬉しくて
とても安心しました
私も彼にサークル活動や
勉強の事、アルバイトの事
などを話しました
彼は頷いたり
笑ったりしながら
楽しそうに聞いてくれました
でも
Rくんからの又聞きの事は
話しませんでした
知らないふり♡
お話しをしながら
聞きながら
ランチを食べて
コーヒーを飲んで
公園をゆっくりと歩きながら
大切な大切な時間
それなのに時はまるで
倍速で進んでいるかの
ように
あっという間の3時間
でした
もうすぐ博多駅
つないだ手を
彼はぎゅっと握りしめて
「次の手紙をくれる時に
薬指のサイズを
教えて欲しい」と
言いました
私は彼を見上げて
「はい」と
言いました
彼は
「約束だよ」と
言いました
夕焼けがとても綺麗で
彼が振る大きな手を
オレンジ色に染めたまま
電車はゆっくりと
走り出しました
つづく
・**・*・*・*・**・
どんな可愛い
約束
したのかな♡♡°
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬
愛は一生