コイバナ
恋花

「彼の怒り(後編)」



「あの人は
自分とは何の関係もない。
だから京子ちゃんが
いやな思いをしては
いけないんだ」と

そう言う彼の目は
怒りをも感じさせました


彼の話しでは
R先輩に友だちを通して
T子さんから連絡があり
自分と会いたいと言って来た
R先輩が断ると
手紙だけでも渡して欲しいと
言うが断ると

T子さんは
京子ちゃんに会ったと言い
何か言ったらしい。
R先輩は内容は言わなかった
けれど
心配をして自分に電話して
くれたのだと言うことでした

写真はT子さんが
持っているものと似ているが
文化祭の時に
Rくんが撮って自分にくれた
写真だという


R先輩と言う人は
Mくんの中学の野球部の
先輩であり同じ高校の
先輩でもあり
バンドの仲間でもあり

Rくんは
T子さんと高校の3年間
同じクラスでMくんを好き
だと言うことは知っていた

そしてRくんは
私とは幼なじみ



自分の事が理由で
彼は自分の知らない所で
私が傷ついていることが
我慢ならないと
言いました


私は彼の気持ちが嬉しくて
涙が溢れてしまい
泣いてしまいました

彼は黙ってハンカチを
渡してくれて

「約束して欲しい、
これからは
自分の知らない所で
一人で傷つかないって、
たのむから約束して。」

そう言いました

私は溢れる涙を
ハンカチで押さえながら
何度も頷きました


すると喫茶店のマスターが
「だめじゃないか
女の子を泣かす男は
最低だぞ」

そう言って
私の冷めたココアを下げると
湯気の立つ熱いココアを
私の前に置いて行き
ました



Mくんはマスターに
黙って頭を下げると

冷たい私の手を
あたたかい両手で
包み込んでくれました


私はとても幸せを
感じていました


私を守ってくれようと
してくれる人が
いる



**



クリスマスの日
彼からの贈り物は
小さなハートの
ペンダントでした

私からは
白いセーターを
贈りました


あの時、幸せに泣いた
喫茶店でした


マスターが
一輪の薔薇の花が入った
小さな花瓶と
キャンドルをテーブルに
持って来て下さり


大きな照明を消して
窓辺やカウンターの上や
暖炉の火と暖炉の上の
キャンドルの明かりだけに
されました


彼はハートのペンダントを
私の首に着けてくれて
白いセーターを着ました

そして
「メリークリスマス」
と言いました


とても静かな夜でした




と思っていた所へ
勢いよく開けられたドアの
カウベルが
カラン!カラン!と
大きく鳴ったかと思ったら


「フォッフォッフォー!
メリークリスマス!」
サークルのリーダーでした

その後から次々に
メンバーが入って来て

Rくんが「キミたち、
ここにおったんかー!」
と言いながら大笑いして
いました



ステキな聖夜が…笑



**


もうすぐ
いろんなことがあった
今年が過ぎ去ろうと
しています




つづく





・**・*・*・*・**・

何の実だろう
オレンジ色のキミたち
かわいいね





わたしも
オレンジ色よ





わたしもよ
可愛いでしょ




みんな
それぞれに綺麗で
とっても可愛いわね♡





女は花であれ
賢く優しい花となれ

**+.° ♡ °.+**









一瞬


一生