コイバナ
恋花

「彼の怒り」




初めてのデートで
私の気持ちを私自身が
しっかりと確認できた様に
思いました


大恋愛をし結婚をした
にもかかわらず
父以外の人との
恋多き母を見て育った
私…です



いつしか
恋愛に臆病になり
消極的な私が
初めて恋と言うものを
感じ始めている…


彼を
恋しく思い始めている


彼の手の温もり
彼の一生懸命な思い
彼の優しい眼差し
可愛いしぐさ


講義中でも
いつの間にか
彼の笑顔を
思い出してしまう
そんな事は今までに
なかった…


思い出すと嬉しくて
とても幸せな気持ちになる


これが
恋だとするのなら
私は彼に
恋をしているのだと思う…


「何ぼーっとしてるの?」
友だちがいきなり
そう言った


「Mくんの笑顔見てたの」
私はそう正直に言う


「はい、ごちそうさま!
でもね、今のところ
後期の試験に出るらしいよ」
友だちが笑う


日を追うごとに
彼と会う度に
好きになってゆく


私の恋は
少しずつ少しずつ
ほんとうに
少しずつ

小さな花が
花びらを一枚一枚と
開いてゆくかのよう
でした


**


もうすぐクリスマス
百貨店の
ショーウィンドウは
クリスマスのオブジェが
とても綺麗でステキ


見ているだけでも
楽しくて


そして、思い出す
幼少の頃の
米軍基地でのクリスマスを


仲良しのマージーの家の
大きなクリスマスツリー

日本では見た事もない
綺麗なものが沢山
飾りつけられて
1つ1つが輝いて✨


クリスマスツリーの下には
赤や緑、いろんな色の紙に
包まれて大きなリボンが
かけられた
プレゼントがいっぱい
置いてあった


マージーのマミィから
私へもクリスマス
プレゼントが用意してあり
赤くキラキラした紙と
大きな赤いリボンを
丁寧にほどき
大きな箱を開けると

生まれて初めての
バービー人形
ドレスやハイヒールが
たくさんセットになって
入っていた

どんなに
嬉しかったことか…と


思い出すたびに
嬉しさが込み上げて
涙が出てしまう


アメリカの人が
日本人の子を
我が子と同じように
いつも愛してくれた
マージーのマミィ
仲良くしてくれた
優しいマージー


私は両親に御礼を言いたい
米軍基地での環境を
与えてくれたこと
私にはとても必要だったと
大人になった今も
思っています


**


今年のクリスマスは
一人じゃない…と
思うとそれだけで嬉しくて


そんな
クリスマスも近いある日
Mくんから電話があり
急いで会いたいと言う…

いつもの優しい声では
ない…


私は不安になり
待ち合わせの時間までが
とても長く感じられた
頼んだココアが冷めていた


**


喫茶店のカウベルが
鳴った
Mくんは冷たい空気と
一緒に入って来て
「待たせたかな?」と
言いながら座った


私は
「ううん、今来たばかりよ」
平気そうな顔をして
そう嘘をついた



彼は珈琲を頼むとすぐに
「なんで言わなかったの?」
といきなり言いました


私は、わけが分からず
「なんのこと?」と
聞きました


すると


彼は胸のポケットから
取り出したものを
テーブルの上に置いて

「この写真、
持っていた人のこと。
京子ちゃんすごくいやな思い
したんじゃないかって
R先輩が心配して」


テーブルの上に置かれた
その写真は
友だちのアルバイト先の
友だちT子さんが
持っていた
写真と同じでした


私は何と言っていいのか
分からなくて
伝えようもなかったと
言いました


彼は
「あの人に何か、いやなこと
言われたんじゃない?」と
聞きましたが


それこそ
自分の口からは言いにくい
ことだから…
下を向いて首を横に振るしか
ありませんでした


彼は
「あの人は
自分とは何の関係もない。
だから京子ちゃんが
いやな思いをしては
いけないんだ」

そう言いました…






つづく







・**・*・*・*・**・


あなた白くて綺麗ね
あら、あなたこそ
輝いてとても綺麗よ

(=´∀`)人(*'▽'*)人(´∀`=)


花たちの楽しい会話が
聞こえてきそうです









女は花であれ
賢く優しい花となれ

**+.° ♡ °.+**









一瞬


一生