――――― かつて




この会社には伝説の「魔女」がいた。





―――――「魔女」



魔女は「悪魔との契約により、超自然的な力で人畜に害を及ぼすとされた人間」を言い、

ヨーロッパなどでは15世紀から18世紀にかけて魔女の存在は脅威とされ、

「魔女狩り」が行われた。


っていうか、関西でも行われたはずだ。


そんなの居たらたまったもんじゃない。





おそらく魔女の生き残りの末裔である彼女は、人魚の生き血を啜ったかなんだが知らないが、

完全に年齢不詳で、やたらと関西弁で喋る。



普段は至って真面目な彼女なのだが、儀式に集中し始めると、呪文を唱えだす。



魔女「・・・アカン・・・コッチをこう・・・・・・アカン…」



『…え?…何?・・・別に何もアカンくないけどーーー!?』


と、まんまと魔術にハマりそうになる。



その後も「アカンくないゾーン」に達するまでひたすら黒魔術を唱え続け、

途中で喉が渇いたのか、2リットルもの聖水を飲み干し、また儀式へ戻っていく。


緑色のレンガを積んだ祭壇に、花で魔方陣をひたすら描き続ける彼女…

どこまでもストイックに、描いては消し…描いては消し…を繰り返す。



ようやく出来上がったと思ったその時、最強呪文が唱えられた。






『チュンチュンやでー』






完全に意味不明である。



常人では理解しがたい言語と彼女から放たれる謎のオーラに包まれ、魔方陣は完成した。


こうして出来上がった魔方陣はどこぞの神殿へと運ばれ、群衆の涙腺を破壊していくのである。




――――― そして

涙腺を破壊し尽くし、満足したのだろうか…彼女は次の土地へと旅立っていった。


今日もどこかで関西弁訛りの「魔女」により、誰かの涙腺は破壊されているのだろう。






【おしまい】





因みに


「チュンチュンやでー」は(あくまでも憶測に過ぎないが)

ドラクエでいう「メガンテ」

或いは、

ラピュタでいう「バルス」

相当の大ダメージを与える呪文であると予想できる。