(総括)甚大とか未曾有とか言ってるが、そんな物じゃない。
それに本当に酷い場面はテレビでは映さん。
でも、今回被災地入りして率直に感じた事を書くなら人の温かさだろう。

水や物資は確実に足りてない。これは実際に見て来て知っている。それなのに作業を終えて戻ると「ご苦労様でした」と言ってお茶を入れて食事を出してくれる。朝、車で現場に向かう時、寒いのに必ず表に出て見えなくなるまで見送ってくれる。帰るときにはみかんなんかも持たせてくれた。「次は観光で来ます」「じゃあ次来た時は私が元気になった石巻を案内しますよ」こんなやり取りをして、後ろ髪引かれる思いで帰路についた。

今回1週間という期間で活動を終えることになったが、自分の中ではある程度の充実感がある。本隊現地入りの為の情報収集が主な目的で、それ以外にも瓦礫撤去や少しではあるが物資の運搬等も行った。
でも、自分の充実感と現地への貢献度は絶対に比例しないのである。
いくら短い期間で出来る事をやったとしても、現地の完全な復興には程遠く、自分の力の小ささも同時に感じている。

ボランティアは石巻だけでも1000人を越えている、これは登録している人数で、実際にはもっと多いだろう。自衛隊員はそれ以上。そんな人数で復興に向けた作業を行っていて、1ヶ月経ってもあの状態である。もっと行政が統括し、ボランティア人員を組織化して作業に当たらせればもう少しは円滑に進むだろう。でも、NPO 会議にも参加して思うのは、指揮官は元は町役場のオッサンである。指揮を取らざるを得ないから取っているだけで、1000人以上の人間を統率する訓練、経験等は無い。それはボランティア人員も同じで、大規模な組織内の指揮官の下で自分のポジションを見つけ、行動する訓練、経験は無い。
結局、ボランティア同士が情報の共有化を行い、少しでもバラバラにならないように、連携して動く事しかできないのである。

圧倒的に人数が足りていないのも確かであるが。こればかりは人の自発的行為なので何とも言えない。企業や自治体、大学等が志願者を募り、期間を限定した上で現地に人員を派遣するといった事も有効だろう。そしてこれを継続する。但し気を付けないといけないのは衣・食・住は完全自給自足、これを周知徹底しておく事
。それができない輩も多数居るようだがそれでは返って邪魔である。

現地へ赴き活動を終えて戻ってもそれで終ってはいけない。自分の目で直接見てきた事、耳で聞き、匂いを嗅ぎ、肌で感じた事を出来る限り周りの者に伝える事。対岸の火事みたいに思ってる連中も多い。これ等に現地の実状を伝え、自分自身に出来る事をしっかり考えて貰い、それを実際に行動に移させなければ、石巻を含め東北大震災で被災した地域の悪夢の現状を変える事はできないのである。

長くなったが最後にこれから現地へ赴き、実際にボランティアとして活動しようと考えている人へ。

まずはしっかりと情報収集を行い、雨風を凌げる活動拠点を確保する事。これはボランティア団体等と連携するのが望ましいだろう。避難所の床は被災者の寝床であって、ボランティアが寝る場所では無いし、救援物資は被災者の物でありボランティアの手のつけられる物は何もない。

夜間から明け方にかけては建家中でも氷点下となる、昼夜の寒暖差に十分注意して、いかなる環境にも対応する装備を持参する事。

現地の衛生状態は決して良くはない、感染症等の疾病への予防対策が不可欠である。

震災から1カ月経過した現在でも非常に強い余震が頻発している為、それに伴う直接被害や津波には十分注意し、万一遭遇した場合の避難経路等を念頭に置き行動する必要がある。

被災地域では皆が様々なストレスにさらされている事から些細な理由でも紛争が多発している、外から被災地入りする者はこの辺りにも留意する必要がある。

物資不足による窃盗や車上荒らしの発生等、治安が悪化しているといった情報もある。夜間の1人での行動を控える等の自衛措置も重要となる。

以上の事を踏まえた上で、少しでも多くの人が事の重大さに気付き、奮起して行動を起こす事を心から願います。

一部引用



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