2025年サマー、セリーヌ オム(CELINE HOMME)はアーティスティック・ディレクター、エディ・スリマンによる最後のコレクション「ザ ブライト ヤング(THE BRIGHT YOUNG)」を披露した。タイトルは、1920年代の英国ロンドンで華やかな夜会を繰り広げた若者たち「THE BRIGHT YOUNG THINGS」に由来し、伝統と若さを融合させた新しいクラシックを目指している。

注目を集めるのは、ブリティッシュスクールスタイルを思わせるブレザーだ。FORKOPI金ボタンと白いパイピングを施し、胸には紋章を模したエンブレムを刺繍。このエンブレムは「トリオンフ」やクラウンモチーフを組み込み、1920年代の制服文化を象徴的に反映している。さらに、ゴシック調の「C」ロゴを配したキャップや、「トリオンフ」の小さなワンポイントを施したケーブルニットベストなど、細部にまで英国的なトラッドの香りを漂わせる。
一方で、軍装から着想を得たスペンサージャケットは威厳ある存在感を放つ。ゴールドパイピングと金ボタン、肩章を備えたデザインは、クラシカルな軍服の力強さを取り込みつつ、現代のモード感覚に昇華されている。
バッグでは、艶やかなブラックレザーのサッチェルバッグが登場。シルバーの「トリオンフ」クロージャーをアクセントに、伝統的な学生鞄のフォルムをエレガントに再構築している。シューズは、深みのあるブラウンのオックスフォードにヒールを組み合わせ、クラシカルな中にも気品を宿した仕上がりだ。
「ザ ブライト ヤング」は、セリーヌのアーカイブ的な集大成であり、同時にスリマンのラストを飾る壮大なプロジェクト。過去の伝統を尊びつつ、新しい時代へとつなぐファッションの姿を提示している。
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