〈演技性パーソナリティ症候群〉
【概要】
演技性パーソナリティ障害(えんぎせいパーソナリティしょうがい)は、日常生活の中において役者の演技のような行動をし、その結果自分が注目の的とならなければ大きなストレスを受けるため、自己破壊的な行動や、或いは自己破壊的なまでに挑発的な性行動を取ったりする精神疾患である。
【説明】
もともとヒトは、ウィリアム・シェイクスピアが「物みな舞台、人みな役者」と表現したように、職業人として、家庭人として、友人として、或いは行きずりの他人としてのペルソナを場合によって被り分けるものである。だが本症に於いては、こうしたペルソナの使い分けができず、ある一つのペルソナにこだわる事によって社会生活に支障を来たす。 また自分を美化させるために人を利用し、自分を受け入れない者には敵意を払うが、他人には興味が無く、他人を受け入れる事ができずに他人と継続的で豊かな関係を保てない。自己愛性パーソナリティ障害とも似ているが、自己愛性パーソナリティ障害の場合は自分は偉いから他人を利用して当然という考えであり、演技性パーソナリティ障害の場合は他者からの尊敬や注目を集める為に人を利用するという点で自己愛性パーソナリティ障害とは異なる。
他人への思いやりが無く、目的の為なら他人の優しささえも利用したり、悪化すると周囲の気を引く為に自殺未遂など反社会的行動を平気でするため入院が必要な場合もある。 原因は日本では虐待や両親からの愛情を受けずに育った、もしくは今でも自分の存在を周囲に認められていない人になりやすいと考えられているが、アメリカでは正反対に過保護が一番の原因とされている。
外向性が強いことが特徴である。同時に、内面が希薄であり、アイデンティティの確立が弱い。そのため、被暗示性が強く、他人からの影響を受けやすい。他者からの注目が自己の基準となっていて、そのために外見など表面的な手段を使う。
演技性パーソナリティ障害と関連する精神疾患にプソイドロギア・ファンタスティカ、いわゆる病的虚言症がある。願望にもとづき、自分を実際以上に見せるために、あらゆる妄想虚言を吐く、一群の病者である。願望による妄想を事実であるかのように語る。外見を良くするために化粧をするが、それと同じ感覚で外見を良くするために虚言を吐く。有名人や権力者と知り合いであるかのように、会話中にはネーム・ドロッピングを行う。高い知性を伴えば、スタンドプレイの好きな、権力志向の人物と言う評価内に納まる事もあるが、多くは周囲との利害を調整できず、詐欺などの犯罪を犯すこともある。
本症を罹患している者の依存者による妄想虚言の解き明かしを行った場合、症状が悪化(境界性パーソナリティ障害の急性症状に近似)する場合がある。
【参考】
9割が女性であるが、これに対し反社会性パーソナリティ障害では生涯罹患率がそれぞれの文化圏で本症と同程度であり、こちらは9割が男性である(他に、いずれの疾患も「他人から美化され注目されることを望むが、自分は他人に対して関心を払わず、他人を尊敬することもしない」、「他人の心身の痛みを理解できない」などの病像が似ている)ことから、同じ疾患が性差として現れた物であるという解釈もあり、その原因となる神経伝達物質や遺伝子の探索が行われている。
by Ethan