記念すべき第一弾「ストロベリーナイト」なぜ書店で手に取ったか今となっては思い出せません。

誉田哲也の本は初めてだったし。

今ほどヒットする前だったと思います。

ソウルケイジが新刊で出たくらい?

 

ストロベリーナイトを読み始めたら衝撃的というか残忍な場面の連続で、目をそむけたくなりそうになりましたがなぜか手が止まらなくて、どんどん読み進めたのを覚えています。

事件、そして姫川班、捜査一課の個性的な面々、玲子の過去、そしてそれに裏打ちされる「姫川玲子」というキャラクターに持っていかれました。

容姿端麗で頭が切れて、出世も早くて自分より年上の男たちを引き連れて正々堂々生きていく。

ともすれば女の嫉妬の対象になりそうな彼女ですが、私はとことん惹かれた。

彼女は男より男らしいけど、でもやっぱり女で、菊田との淡い想い。

たぶん、菊田との微妙な関係が丁寧に描いてあったからここまではまったのだと思う。

 

その後の作品で「刑事だって人間だ」というセリフが出てくるのですが、その通りだと思って、警察官だって恋愛するでしょ?結婚して家庭持つでしょ?

 

玲子と菊田は結果として結ばれなかったけど、それでもその間丁寧に揺れる心を書いてる。

玲子には玲子の想いが。

菊田には菊田の想いが。

 

姫川玲子シリーズは刑事ものだから恋愛要素はいらないっていう意見も見るけれど私の考えは逆で、玲子の揺れる心が、菊田であったり、牧田であったりが描かれているから面白い。

もちろん事件も疾走感があって好きだけれども、玲子という人に惹かれて読んでるから。

女々しいという人もいる。でもそれも玲子。

 

玲子は大切なものをどんどんなくしてしまう人だけど…

 

菊田の愛に気付き、自らも想っていながらも同じ匂いに共鳴されるように牧田に走ってしまったんだけど、それによって捜査一課の主任を追われ、仲間を失いそして菊田を失い菊田はほかに人生のパートナーを得てしまい。

 

それが玲子を強くしているというか、より切なくしているというか、その背景があって姫川玲子という人物がより浮き上がってくる。

 

確かに初期の様な衝撃はもうない。

玲子も確実に年を取っていくし、その年齢で警部補というのも珍しくなくなってしまうと思う。

異例の出世の速さというのも霞んでしまうと思う。

菊田は警部補になった。そして玲子は警部試験に筆記で落ちた。

玲子は独断専行の人だから上層部受けは悪いだろう、この先の出世はないかもしれない。

もしかしたら菊田が警部になってしまうかもしれない。

菊田との軽快なやり取りも、ドキドキする駆け引きももう見れない。

菊田は遅すぎた。玲子に「守る」って言うのが遅すぎた。

玲子も菊田に甘えきれなかった、信じ切れなかった。

 

タイミングを外してしまった二人が今後どう絡んでいくのかそれが楽しみ。

 

だって今後もし男女として心を通わせてしまったらそれは不倫だから。

さすがにそれは書かないと思うし、菊田が今の妻を切り捨てて玲子に今更走るとも考え難い。

だとしたら「女」の部分の玲子はもう書かないのかな?それとも他の人が現れるのかな?

それはそれでつまらない気もする。

 

私個人の一番の理想は、

玲子と菊田は不可侵の男女を超えた絆があってそれは妻である梓にも入り込めない。

菊田は心のどこかで玲子を想いながら梓とは違う次元で玲子を愛していってほしい。

「菊田」というだけで何を望んでいるのかわかる。そんな関係でいてほしい。

玲子は、、、そうだな。菊田の想いを知りながら梓に遠慮してそれでも菊田をそっと想ってほしい。

二人がその間で苦しみながらどう大人として折り合いをつけて想いあっていくのか・・・

もし玲子に新しい誰かが現れたら菊田にはそっと嫉妬してほしい。

自分には妻がいるけど玲子には一人でいてほしい。そんな狡さを持っていてほしい。なんか菊田ってそんなイメージ。だって結婚したことを玲子にだけは黙っていたんだよ。自意識過剰なやつなんだよ。しかも玲子の本心を聞いてしまっているわけだし。

 

あの病室で全てを吹っ切ってしまったような二人だけれども、そうであってほしい。

でもきっと作者的にはブルーマーダーで玲子と菊田の女と男の部分は決着をつけてしまったんだろうな。

それが切ない、寂しい、苦しい。

二人にとって。

 

玲子にとって菊田は必要だと思う。

菊田にとっては必要ではなくなってしまったのかもしれないけれども、それでも玲子を必要としてほしいな。

二人はお互いを必要としてほしい。

 

 

 

姫川班第二章は始まったばかり。

 

玲子と菊田は同格。

菊田がもっと早く昇進していればその運命は変わっていたのかもしれない。

でも作者はそうさせなかった。

初期の作品では警部補試験に興味のないような風に見せていたのに、結婚後は、警部補になるつもりはある。と書いてある。

そして実際なってる。

作者がこのシリーズをどう持っていくのか私達読者には計り知れないけれど、きちんとしたラストを用意するのか、(例えば玲子が殉職するとか)それとも期待を持たせつつ続けていくのか・・・

 

新生姫川班に菊田が加わったことでどうなるんだろうか?

 

一つ一つの発言に気を使い、簡単に飲みにも誘えなくなって、(ここからはインデックス後のネタバレ)それでも菊田は玲子の側にいるみたいです。

泣き崩れる玲子を抱きしめてみたり、官舎で梓と知人にもらった栗で作った栗ご飯を食べてみたり。

どっちつかずが菊田の醍醐味なのかもしれない(笑)

 

ザ・優柔不断!(笑)

 

その点井岡は一途だぞー(笑)

その線はないよね?誉田センセ?

癒されるけども、玲子は確実に癒されてるけどもそれはちょっと嫌だなー

玲子が幸せならいいんだけどさーでも井岡は・・・(笑)

お笑い担当で、ストーカー担当で、そして時折玲子の癒し担当として・・・

 

それなら玲子は一人で、菊田想い、牧田を想いながら生きていく玲子を見たい。

女々しくていいじゃない。仕事はバリバリ。でも仕事を離れたら一人の女。

 

でもそれを全て吹っ切って生きていくほうがより玲子なのかもしれないけどね。

前だけ向いて・・・

 

 

とりあえず眠れないから勢いでこんなこと書いたけど、まだ読み直してないので記憶は曖昧です。

私にとって読書は一回目より二回目、三回目のほうが楽しめるのです。

(変わり者)

視点が変えられて面白い。

 

今一番はまってるシリーズがこの姫川玲子シリーズです。

基本文庫派なのですが、新刊本にも手を出しそうな感じ(笑)

 

これからこのシリーズを読み直して、シリーズの世界観、玲子という人間・女をどう感じていくかまた機会があったら書きたいと思います。

 

 

私個人にとってこれはリハビリなのです。

病気になって薬を多用するようになって気持ちは楽になったけれど記憶力が落ちたというか集中力が落ちたというか、感性が鈍ったというか、すべてに霞がかかったようでなかなか新しい小説も読めず、一度読んだ作品すら読めなくなっていたのですが、それをどうにかゆっくり克服していこうという自分なりのリハビリ。

姫川玲子シリーズ、文庫になっているだけで7作品あるからそれらを読むことがリハビリ。

それを感想として文に起こして書いていくことがリハビリ。

 

そして、それを他の本にもやっていくのが目標。

 

それすら揺れてしまうけども、それが今の私にできる精一杯のリハビリ。