この前、車屋と話している中で改造ツインカムヘッドの話になった

当然のことながらウチが製作経験があるので主流で話をした

何々のヘッドが付くんやろう~なんて巷では噂されているようなことは無く、ハッキリ言うて付かないのよ、付くようにもっていくのよ

本やネットで得た情報だけで加工改造工程はㇲッ飛して結果だけ見て言うてるだけの話、そのまんまを真に受けた人の噂が広まっただけの話

まあ、そういう物に興味があり、自分で作りたい人間には何も情報が無いよりはヒントにはなるからね(結果的には現実に付いているのだからどうにかすれば何とかなると思ってしまうのは確かだが)

モンキー用FZR250R3番ヘッド改

 

まずお金が掛かるのは確かなんだがその話は当たり前なので置いといて・・・

モンキー用CBR250R4番ヘッド改

 

製作するにあたっての絶対条件

①好きさから湧いて出る自作への気力

②アルミ溶接による造形技術

③内燃機関切削加工技術

この3条件は必須です、1があっても2,3が自分でできないのであれば身近にこれらの技術を持った協力者がいなくてはできない

尚且つ流用できそうな加工許容範囲のあるヘッドの見極め、選択、探求が寝ても覚めてもできる人

いちから自分でヘッド自体を鋳造や削り出しで作るという難易度の高いパターンも・・・(ウチはそれができないので流用ヘッドなのよ)

 

40年くらい前に本に載っていたダイシンのロータリーポートヘッド

本の説明ではアルミから削り出しで製作したヘッドだが・・・

1万8000~9000rpm回ってノントラブル、2~3個で出回ったとなっているがほんとうなんだろうか?

 

ウチはこの写真から予想するに実際には動く実働ヘッドではないと思う

まずは密閉性を保つ為のポートシャフトに付くシールやリングが見当たらない、オイルラインややはりその回ったオイルがポート内に漏れ出さない為のシール、シャフトIN&EXポート穴で燃焼室の圧縮気密対策等ができているとは画像から見えない

これは本の記事なので本当の事はどうなのか判らない(記事を鵜呑みにはできない2サイクルでさえクランクシールが抜けたらエンジンかからないのに)

モンキーに付ける為のFZRヘッドを改造して作るのとは訳が違う、構造上の問題を克服しなければいけないからだ、問題をクリアした形状や加工痕などこの画像からは見て撮れない、全てを写して無いのかもしれないが・・・

 

話は流用ヘッドに・・・

モンキー用はまだ単気筒なのでボアピッチはさほど気にしなくてもよいが多気筒ともなれば話は変わる

これは旧クラシックミニのOHVエンジン用に改造されたバイクのBMWRS100用ツインカムヘッドを流用加工したヘッド

これも本では有名でスタンダード化しているヘッドだがすんなり付く代物ではない(ただボアピッチが同じような感じだっただけのようであるがそれだけでもヒットだ)

元々カムチェーン駆動のヘッドをコックドベルトに変更しているこの辺りは一番最初に流用製品化したショップが販売しているクランクとカムのコックド駆動系の変更コンバ―ションキットを購入した上で、アルミの溶接やヘッドボルト位置オイル穴、水路等変更を施してやっと装着可能になるようにしているが、やはりこれまた結構な内燃機関加工を要し言われている程簡単ではない

 

この画像はRB26のツインカムヘッドをL型に流用装着したエンジンです

ハコスカやケンメリ、Zなどに搭載されているL型エンジン(L20,24,26,28があるが排気量からだとベースとなるのは26,28からであろう)専用でボルトオンできるDOHCヘッドは広島のOS技研のヘッドが有名で今でもコンプリート注文可能です(またOSの従業員さんがハヤブサヘッドを3Aに載せた画像がユーチューブで公開されている)

なんと記事によるとこのRBヘッドはボルトボアピッチがLとRBが同じだったとか・・・(ほんとうならこれだけでも超ラッキーな情報だよね)

実際自分がやってないので詳しい事はやった人間にしか判らないが、これまた結果的にエンジンに装着できているので先述の条件をクリアすれば付けれるのは間違いない

ミニBMWヘッドとは逆にRBのコックドベルトからLのカムチェーン仕様に変更しなければいけないであろう事が予想されるが並大抵ではないだろう(当然のことのように前カバーなどは溶接で作っているのが判る)

トヨタがヤマハに開発を依頼したと言われているDOHCヘッドのワークスTSスターレットのように、サニーのA12エンジンにハヤブサなんかのDOHCヘッドなんて付いてたらカッコエエやろうなぁそういえばまだA型にツインカムヘッド付いてるの見た事ないな(無責任に妄想で言うてるだけですよ)

いや皆さん、妄想からよく具現化してますなぁ~

 

N360に搭載されてヤマハVマックスの4バルブヘッドだ

これまた本に紹介されてから付くと思っているひとが多いんじゃないかなぁ

でも単純に考えて見て下さいよ、Nは2気筒で総排気量360cc(1気筒当たり180cc)です

VマックスはV型4気筒1200ccなので(一気筒当たり300ccで1つでもうNの排気量近くに迫る)

これだけで考えてみるとボアがデカイのでシリンダーのボアピッチが大きく違うのは現物を見なくても予想が付く(センターカムチェーンなんで何ミリくらいは一度切り離してピッチを詰め再溶接したり、オフセットボーリングで燃焼室を合わす手もあるが・・・)

このNはクランクやシリンダーケースなど作り直していると書いてあるのでまず簡単に付かない(カムチェーンやクランクギア等の克服など問題山済みであったであろう)

でも実際付いてるのを見てしまってるから、もろもろ問題はさて置きDOHCヘッド化の道しるべにはなるよね(けどまんま付れるヘッドじゃないからね)

NコロエンジンはホンダがバイクのCB450Tエンジンを参考に開発されたという噂がありそんなら単純にそのDOHCヘッド付くんじゃねって実際にヘッド買ったがそのまんまは付かないのが判ってボツにした考えが甘い人いっぱいおるみたいやけどね

Nコロのボンネット開けてDOHCヘッド付いてたらやっぱカッコエエもんね

まず自分でアルミの溶接、切削加工ができる人間じゃないと作れないし、その上補器類(車体に合わせて専用のキャブやマフラーを作れセットできなければいけない)

自分でできないとお金はさらに高額出費になっていくし、もしその車種専用のボルトオンヘッドキットが販売されてるのならそれを買う方が良いし、性能も安定して断然コスパが良い(自分で作ったという自己満足以外得れるものはない)

妄想を楽しむんだったらまずは2輪4輪の諸元表を見てボアストローク、気筒数を調べる事、大体同じような排気量のエンジンに目を付けるのが得策で具現化したい気があるのなら、まずはガスケットなどでボルトや穴の配置の見比べをやり、さらに現物のヘッドやエンジンブロックを入手しボアピッチ、スタッドボルトピッチ、オイルライン、水路、カム駆動方式やチェーンの種類クランクギアとカムギアの波形種類、ヘッド面サイズ(幅、全長、高さ)とブロック面サイズなど加工修正可能なのかをまずは知るべきである、その上クランクからカムスプロケットまでの距離、丁数や専用ピストンの事まで課題は山積でまったく作りが違い普通に考えて付かない禁断の改造ヘッドに愕然とするだろう

雑誌やネット情報は参考くらいに思い本気で信用して動くにはリスクが多いと思ってほしい、でも自分で作るという事は吊るしの市販品より思い入れ、愛着が沸くのは確かです(ブランド品派や自作品派と2分するので考え方好み次第なのですが)

いまじゃ車のエンジンを自分で弄る事も無くなったんで、ちと寂しく妄想ばかりの言いっパでふがいないんですが・・・

ま、巷で言われてる程、自分でやるという事は簡単じゃないという事ですよ

 

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