1. 脳と水分の関係
- 人の脳の 約75〜80%は水分 でできています。
- 水分不足(脱水)は脳の働きを低下させ、注意力・記憶力・判断力の低下 を招きます。
- 特に高齢者は のどの渇きを感じにくい ため、知らないうちに慢性的な脱水状態になりやすいです。
2. 水分不足と認知症リスク
- 軽度脱水でも認知機能が低下 → うっかり・物忘れ・集中力低下につながる。
- 脱水が続くと脳に慢性的なストレスがかかり、認知症の進行を早める可能性があります。
- 脳梗塞や脳血管障害も脱水でリスクが上がり、これも 血管性認知症 の原因になります。
3. 認知症予防のための水分摂取の目安
- 1日 1.2〜1.5L が推奨(食事からの水分も含めると2L前後)。
- 一度に大量ではなく、こまめに少量ずつ。
- 高齢者は「のどが渇いた」と感じなくても、時間を決めて飲むのが効果的。
例:起床時、食前食後、入浴前後、就寝前 など。
4. 適した飲み物
- 水、お茶(ノンカフェイン)、麦茶、白湯 がおすすめ。
- コーヒー・緑茶もOKですが、カフェインに注意。
- 甘いジュースは血糖コントロールのため控えめに。
- スープや味噌汁も「水分」としてカウントできます。
5. 実践の工夫
- テーブルに水を置いておく。
- コップに目盛りをつけて「1日これだけ飲む」と見える化する。
- デイサービスやご家庭で「水分チェック表」を作ると効果的。
✅まとめ
水分摂取は「脳の栄養補給」の一部。慢性的な脱水は認知機能低下や認知症の進行に関わるため、 毎日こまめに水分をとることが認知症予防に有効 です。
✅ 改善した例
① デイサービス利用者(80代女性)
- 物忘れが多く、昼食後にウトウトして会話も減っていた。
- スタッフが1日6回、100mlずつ水分補給を声かけ。
- 1週間後:午後の眠気が減り、表情が明るくなった。
- 1か月後:会話がスムーズになり、スタッフに「昨日のテレビ面白かった」と話せるようになった。
② 在宅高齢者(70代男性)
- 「のどが渇かない」と言ってほとんど水を飲まなかった。
- 娘さんが「お茶を一緒に飲む習慣」を作り、午前・午後にコップ1杯ずつ。
- 2週間後:便秘が改善し、気分の落ち込みが減った。
- 医師の認知機能チェック(長谷川式簡易知能評価スケール)で、点数が2点上がった。
③ 認知症軽度(MCI)の方(78歳女性)
- 訪問看護で「水分不足が原因のふらつき・混乱」が頻発。
- 看護師が「水分摂取表」を冷蔵庫に貼って管理。
- 1か月後:混乱が減り、「買い物の予定を自分で話せる」ように。
- 医師も「進行がゆるやかになっている」と評価。
✅ ポイント
- 水分摂取はすぐに「記憶力が劇的に良くなる」というより、
👉 眠気やだるさが減る
👉 会話や活動意欲が上がる
👉 認知症の進行を遅らせる
といった 生活の質の改善 が先に現れます。