それが宿命(さだめ)というのなら | Forest

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なんか詩とか描いてます

それが宿命というのなら

 

アンタは両手にその子らを抱え

独りになるといいわ

 

夜な夜な音楽を紡ぎ

夜な夜な絵画を描いて

 

さぞや賢い子を育てるがいいでしょう

その子らの方を向かぬまま

 

それが宿命というのなら

 

さくらの精の告げた

あの運命がこれだというのなら

 

 

私達はじっと

 

オシイレのフスマの中から

 

アンタが捨てる

そのヒトの

 

背中の一番冷たいところに

じっと手を当て

 

独りになんかさせやしない

 

 

そうよ

両手にそれを抱えたまま

 

独りになるのはアンタ

 

 

その孤独感を忘れるために

 

このヒトから奪ったものから

目をそらし

 

夜な夜な

音楽に興じ

夢想を描き

 

きっと何もなせぬまま

きっと何も渡せぬまま

 

両手に抱えたはずの

その子達から目を背けたまま

 

何処へなりとも行くがいいわ

独りで

 

 

いつか

テッセラクトのプレゼントボックスが

開かねば

 

アンタがかばったつもりの

両手に抱えたその子らは

 

きっと

あのヒトと同じ轍を踏み

 

堕ちていってしまうでしょう

 

 

その時が来れば

 

きっとアンタは

このヒトをかなぐり捨てさったと同じように

 

その両手を

離してしまうの?

 

 

それとも

 

その時になって初めて

このヒトが

 

テッセラクトのプレゼントボックスに

詰めようとした何かに

 

気がつくのかしら?

 

 

もう遅いのよ

 

何もかも

 

 

アンタの守ろうとした何かは

結局独りで生き抜くことができない

 

 

アンタの守ろうとした何かは

 

アンタに寄生はするけれど

アンタとともに歩けやしない

 

独りになるのはアンタ

 

仲間といつか

宿命を開けるのは

私達

 

 

テッセラクトのプレゼントボックスは

アンタの為のモノでも有ったことを

 

およそ知ることもなく

 

 

独り独りで

それぞれに

 

音楽に興じ

夢想を描き

 

アンタの一番嫌った

 

寄生

 

という生き方に向かって

歩み続けるといいでしょう

 

それをそうとは知らないままに。

 

 

 

それが宿命というのなら

 

それが宿命というのなら

 

 

私達は

それでもアンタ達に

知られずに

 

そっと贈っていた

私達の宝物

 

 

友情の証と信じた

【名前】

 

 

アンタたちの知らぬ間に

 

そっと返してもらうからね

 

 

 

サヨナラ

 

 

 

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この作品は[オシイレのむこうのあなたへ]の一作品です。

 

もしかしたら

これが[オシイレのむこうのあなたへ]への

最後の投稿になるかもしれません。

 

もちろん

この作品に出てくる【アンタ】は

 

普段私が書き綴っている作品に登場する

 

【貴女】

 

…とは

別の人のことだから

そこのトコロよろしくね