あの夜の窓際で | Forest

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なんか詩とか描いてます

あの夜の窓際で
ちょっと大きなCDラジカセを担いで

アンテナを動かしたり
本体を傾けたり
部屋の中をぐるぐるしたり
チューニングを少~~しずつ変えてみたり

雑音の中

必死にあなたの声を探した


みんなその時だけは声を潜めて

聞こえたり聞こえなかったりの
ちりぢりの音を

必死に耳で受け止めようと頑張った

あの夜の窓際で
ちょっと出窓になってる窓際で

自分の体をアンテナにできないかって
ちょっと大きなCDラジカセを

かわるがわる抱きしめながら

5人で

必死にあなたの声を探した

今はもう
あの窓際には戻れないけれど


インターネットの糸が
何の雑音もない

クリアな音も
止まらない映像も

送ってくれるけど


時々懐かしくなる

一つ一つの言葉に
歌に
メッセージに

必死に食らいついていってた
あの夜の窓際で


5人
無言で必死に電波と向かい合った


あの夜の窓際に
ちょっと出窓になってる窓際に

みんなで腰を掛けて聞いていた

毎週の楽しみだった
あのラジオ


私たちは新しいタマリバで

パソコンがつないでくれる
初めてのクリアな音で

たったの30分

やっぱり息を殺して
一言一言を耳に刻みながら

みんな心だけは
あの夜の窓辺の時と

同じ気持ちで

やっぱり息を殺して
一言一言を耳に刻みながら

ラジオとして聞くんだろうね

あの時と同じように