気づけば新潟に来て10年である。

2002年春。
仕事の転勤で北陸の金沢市から、新潟市へやって来た。

異動社命を受けての、新潟へ最初の印象は「さらなる雪国」。
富山で生まれ、金沢で青年期を過ごした私にとって、同じく「日本海側」であり、方角的にさらなる豪雪地帯での生活を覚悟した。

ただ漠然と、新潟市は日本海側では一番の規模を誇る都市であり、“都会”へ行ける喜びはあった。
さっそく購入した新潟県地図をながめ、新生活への期待を膨らませた。


はじめての新潟市入りは、特急・北越号。
金沢から富山、糸魚川、上越、柏崎までの海岸線沿いを終えると、列車は内陸部へ。
長岡では大きなプラットホームから、ダイエーが見えた。
しばらく新幹線レールと並走した後、特急は三条から新津方面へ。
海岸線沿い(後に知る「越後線」)で新潟市に入るもの、と思い込んでいた私は、先の地図と車窓を交互に見ながら、「今ここあたりを走っている・・」などと高揚感にあふれていた。

長岡よりも大きく広いプラットホーム、私は言われていたとおり新潟駅南口へ向かった。
万代口側を知ることなく、当時まだ商業施設と言えばPLAKAしかなかった閑散とした南口から、タクシーに乗りさらに南側の郊外へ向かった。

その日のうちに、居住する賃貸物件を見てまわった。
万代口側を知ることなく、新潟バイパスも知ることなく、日帰りで金沢へ戻った。

「大きな新潟」を知るのは、実際に新潟へ引っ越し、生活を初めてからだ。


引っ越し日は自動車で新潟市入りした。

すっかり日が暮れ、新潟西ICを過ぎ新潟中央・新潟亀田のIC案内板が続く夜景に「大きさ」を感じた。
亀田ICから亀田バイパスに乗り、それまで金沢にはなかった「立体交差のバイパス」というものに、本当に私は武者震いをしてしまっていた。
道に迷いながら、住居へたどりつき、さっそく夜の新潟市内を軽くドライブした。

翌日も落ち着いた頃に、日中の新潟市内を車で流した。
常時左折の交差点や、行き先毎に分かれた車線、広い道路。
萬代橋を歩く多くの市民、フロントガラスから見上げたNEXT、人通りの多かったスクランブル交差点・・

日本海側で一番の規模の「大きな新潟」、金沢よりも格段に「都会の新潟」に、すっかり私は安心し、期待とともに新潟生活をスタートしたのだった。


新潟は「東日本」だった。
「西日本」だった金沢に比べ、いろいろなシーンで新潟での生活は私にとって心地良かった。
心配した雪も、とても「豪雪地帯」と呼べない、たいしたことのないものだった。

城下町のように歴史はないけど、それを鼻にかけず、港町精神を持っているかのようにうつった新潟人が、私は好きだった。

W杯が開催され、Jクラブのアルビレックス新潟が躍動し、柳都大橋と新潟みなとトンネルが同時開通し、日東道が延伸、万代島ビルが高く積みあがる新潟は、勢いがあり私の心さえ大きくしてくれた。

気づけば、転職し新潟での生活が10年となり、それは今後も更新されていくことになる。


10年も過ごせば、新潟の良いところばかりではなく、そうでないところも知り始める。
また、北陸新幹線開業を2014年度に控えた、過去の居住地金沢もどんどん街として「追い上げ」を見せていることも事実だ。

新潟に「移住」し、新潟に「亡命」したかのような立場の私にとって、西日本・北陸地区・北陸新幹線当面の終着駅・金沢が「追い上げ」、新潟と同格規模に迫ってきているのなら、複雑でそう公言できない気持ちを禁じ得ないこと、理解されたい。

他都市と比較せずとも、近年の新潟に勢いが感じられなくなっていること、また事実だ。
母体の新潟県は毎年1万人規模で人口が減少し、政令市化された新潟市もそれを活かしきれていない。
古町は衰退著しいとされ、郊外型SCに人が流れ続けている。
貴重なエンタテインメント、Jクラブ・アルビレックス新潟もかつてほどの注目を受けず、その規模は縮小しているように見える。


2012年、時に心配になるのだ。
この先、10年後の新潟を。

まさか新潟に移住した私が、「選択を誤った」などと言われていないように、また自分自身そんなことを疑う余地もないほど、しっかりと新潟が「日本海側で一番の大きな都市」で居続けていてほしい。

またそれは願うだけでなく、常に念頭にひとつひとつの生活行動を「大きな新潟のために」選択していかなければ、ならない。


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