絶食状態は相変わらず続いていて、泉は入院したまま苦しんでいた。早く家に帰りたい、彼女はそう願っていた。それでも僕はなんとかこのまま抗がん剤治療をしてがんがなくなるまで病院でいるほうが未来のためだと、彼女を説得していた。彼女がどんなに苦しんでいたか、僕は、わかっているつもりでいた。

がんの苦しみと、腸閉塞での苦しみと、なんとかしてやりたい。担当医と話しても埒が明かないと、だんだんと僕も苛立ってきていた。そして僕はセカンドオピニオンをしてみることにした。関西で有力そうな病院を選定した。そして主治医に相談をした。NOとは言わない。今の医療現場では比較的受け入れやすくなっているらしい。恐らく主治医からすると良い気分ではないだろう。

幸いに病院の地域連携室がとても協力的だった。書類を用意してくれて4つの病院への手配をしてくれた。

季節は夏になろうとしていた。



「病室からの眺め」


新緑の生駒の山が

空の青さに映えて

とても美しい


病室から眺めながら

また一緒に登ろうねと

君と誓った


山かぁ

面倒くさそうに

答えたその言葉さえ

愛おしい