一般社団法人足育研究会代表
皮膚科医
高山かおる
フットヘルパー協会への推薦文
日本は世界一の高齢化社会です。今後も高齢化がどんどん進んでいくため、介護をうけ
る人数も、介護度もしばらくの間は徐々に高い状態になっていくと予測されています。当
然のことですが、高齢になっても心身ともに落ち着いた幸せな生活をおくるために介護の
充実したサポートは欠かせません。介護には多くの役割がありますが、歩行を守る、言い
換えれば自分の足で移動する能力を守ることは特に重要です。フットヘルパー協会はこの
ことにいち早く気がつき、高齢者の足の健康を守ることを目的に組織されています。ほと
んど歩かなかったかたが、フットケア後歩けるようになって、爪が痛いためにあるけなか
ったのだと気がつくこともあります。足の健康は、歩行をささえ、社会活動を支え、人間
の尊厳を支えます。しかし、足の健康をまもるとひとことでいっても、高齢者の足は経年
劣化し、骨格は変形し、皮膚は薄くなり、爪は変形していることが大変に多いのです。体
が不自由になり、足に過剰な負担がかかるために痛みがある場合も少なくありません。さ
あ!爪を切りましょうといっても簡単ではありません。高齢者の足の特徴を理解し、足を
安全にケアしていくための技能を身に着けていただく必要があります。多くの介護者がフ
ットヘルパーとなり多くの高齢者の足を支えてくださることを切に願っています。介護現
場でのフットケアを当たり前にすることが、高齢者の人生を守り豊かにする方法だと確信
しています。