走り込みは逆効果?子どもを伸ばすために今すぐ見直すべき練習法
「走り込みをすれば体力がつく」「走れる選手は強い」。そんな考えから、毎日のように子どもたちに走らせる練習を取り入れていませんか?
実はその走り込み、子どもたちの成長を止めているかもしれません。
本記事では、「なぜ走り込みが逆効果になるのか」「どんな練習に置き換えるべきか」について、サッカー指導者の目線から解説します。
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なぜ走り込みがダメなのか?
サッカーには確かに体力が必要です。試合の最後まで走り切る力は、選手にとって大きな武器になります。
しかし、だからといって“ただ走らせる”だけでは意味がないどころか、逆効果になる場合もあります。
よくある誤解:「強くするには4000m走らせろ」
全国大会に出場するような強豪校のインタビュー記事を見ると、「毎日4000m走った」「とにかく走らされた」といったコメントが並びます。
これを見て、「うちのチームでも真似しよう!」と考える指導者も多いのではないでしょうか。
しかし、これは大きな勘違いです。
強豪校と地域の一般クラブでは、そもそも選手のモチベーションや環境がまったく違うのです。
強豪校と地域クラブの決定的な違い
強豪校に所属する子どもたちは、プロを目指していたり、全国大会に出たいという明確な目標があります。そのため、多少きつい練習でもモチベーションを維持できます。
一方で、地域クラブに集まる子どもたちの多くは「サッカーが好きだから」「友達と楽しみたいから」という気持ちで参加しています。
そこに、毎日4000mの走り込みを課したらどうなるか?
答えは簡単です。サッカーが嫌いになります。
「楽しいからやりたい」と思っていたサッカーが、「苦しいからやりたくない」に変わってしまうのです。これは、指導者にとって一番避けなければならない事態です。
成長に必要なのは「モチベーション」
指導者として本当に大切なのは、子どもたちがサッカーを楽しみ、もっと上手くなりたいと思うように導くことです。
いくら技術的に優れた練習をしても、子ども自身に「うまくなりたい」という意志がなければ、成長は望めません。やる気がないところに、成長は生まれないのです。
ですからまずは、「サッカーって楽しい!」と感じさせることが、指導の第一歩になります。
走り込みの代わりに何をすべきか?
では、体力をつけるためには何をすれば良いのでしょうか?
そこでおすすめしたいのが、**HIIT(高強度インターバルトレーニング)**です。
HIITとは?
HIIT(ヒート)は、短時間で心肺機能を高められる、効率の良いトレーニング方法です。
例:
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20秒間、全力で動く(例:バーピー)
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10秒休憩
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上記を1セットとして、8セット(計4分間)
たったこれだけで、長距離走よりも体力がつくと、多くの研究でも証明されています。
最初は4分間も続かないかもしれません。2分程度から始めて、徐々にレベルを上げていきましょう。
HIITは短時間で終わるため、子どもたちの集中力も保ちやすく、「きついけどやりきれた!」という達成感にもつながります。
練習の時間を有効に使おう
例えば、走り込みに毎日30分かけていたとしたら、その時間で何ができるでしょうか?
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ボールを使った基礎練習
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少人数でのミニゲーム
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判断力を鍛えるロンド
どれも子どもたちを成長させるために有効な練習です。
「走らせればいい」から「楽しく上達させる」練習へ、ぜひシフトしていきましょう。
まとめ
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走り込みは、モチベーションの低い子どもには逆効果になる
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強豪校の真似は危険。環境や意識がまったく違う
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サッカーを楽しませ、やる気を引き出すことが成長のカギ
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体力強化にはHIITがおすすめ。短時間で効果的
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練習時間を効率よく使い、「楽しく上達できる環境づくり」を目指そう
「走る力」ももちろん大事。でもそれは「サッカーが楽しい!」という気持ちが育ってこそです。
まずは、子どもたちがまた明日もサッカーがしたくなるような練習を。そこから本当の成長が始まります。
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