まどろみの庭 R2 -2ページ目

まどろみの庭 R2

PSO2の日記とかかいたり。最近心が折れそうな風太さんがお送りいたします。


存在自体が完全なるネタバレ






*データ
イルティス・ハルモニア・ラグナール
外見年齢:24歳 性別:なし

緑の長髪、紫の目を持つ点はアリスティア、イグレシアと同様。
信頼する者へは愛情を注ぎ、敵対する者には憎悪を注ぐ。

両社とも異なる点、それは……。



・実態
「イルティス・ハルモニア・ラグナール」とは
「イルティス」という存在のモデルとなった第5世界ラグナールの祖である神。
表の歴史からは消され、眠っていた存在。

過去、世界を7つに分かつ神の戦いが行われた。
当時竜と嫉妬を司っていた神であったイルティスは神の王スバルに敗れ、この地に封印されることとなる。

封印されたとはいっても、その世界を自由に歩くことができたイルティス。
彼は、ラグナールに住む竜に知恵と力、心と人の姿を与え龍へと進化させる。

その中でも強き者に、自分と同じ名「ラグナール」を与え、龍族を統べさせた。
それがラグナール王家の始まりだった。

数千年の年月が経ち、龍の国はラグナールという世界全てを統一した。

慢心する王。民は虐げられ、龍とならなかった竜達をも強欲な王の手が襲う、
それに怒りを覚えたイルティスは王を良しとしない第二王子シャロルに力を貸し、クーデターを起こした。

クーデターは無事に成功し、王は倒され、シャロルがそれを継いだ。

しかし、この世界に干渉し過ぎた、民の祖はまだしも歴史にまで干渉してはいけない。
今更な考えではあったが、そう思ったイルティスはシャロルに力を託し、深き眠りにつく。

数百年後、眠っている間に神の王になろうとしたスピカにより龍族の民は全滅、
王家の最後の生き残りであったテピュアも、スピカより勇者を守るため死亡。
竜も滅ぼされ、完全にラグナールは崩壊した。


目覚めた時全てが終わり、全てが始まっていた事を知ったイルティス。
後悔や懺悔の念を抱き自ら心と肉体を砕いてしまった。

そのフラグメントは異世界へと散らばっていった。

ある研究者の手に渡ったフラグメント「アリスティア」。
研究者を殺そうとした者の手に渡った「イグレシア」。
他にも幾つかのフラグメントが確認されている。

それをすべて集めたとき、彼は復活するのだ。

悔いの龍祖「イルティス・ハルモニア・ラグナール」が。




*色々

・ステータスとしては魔力特化気味。
現在出ているイルティスフラグメントと比べると
自己生き残り特化のアリスティアよりも支援能力が高め。
攻撃性能のみ意識したイグレシアよりも柔軟に対応ができる。


・設定的な物
愛した人に一途なのはイルティスの宿命というのを決定づけた存在。


・フラグメントとハルモニアさん
意識的にはフラグメントの意識も内包しているので
多重人格にはならなくとも複数の意識を持つ存在。
全てのフラグメントの意見も聞ける。


・大食らい
エネルギー維持が大変らしく色々食べてしまうのもイルティスの宿命。








名状しがたいけれど僕は確かにいたよ。



*日記
仕事といいアークスといい忙しくて日記かく暇がなかったデース。
ツイッターにはちょくちょく顔出してるので許してぽん。

あ、どんとすたーぶ面白いよ!!
みんなやろうよどんすた!!




*ぴーえすおーつー
色々あった。

某リムルのなりきりの人に会いに10鯖にいったのはいいけど、
その人がすごい出会い厨クズすぎて即刻帰ってきたり。

通話してるフレンドさんと喧嘩したり。
仲直りしたり。

白猫のマールちゃんつくったり。
ツキミちゃん作ってる人と仲良くなったり。

聖戦クロニクルのフレッドちゃん作ったり。

フレッドちゃん大好き過ぎてからい。
聖獣じゃなくて守護獣版イメージのイプシロンをサポパにしてみた。

イプシロンに
【彼は言っている……
 「○○だ」、と】
とか言わそうと思ったけど、語彙力足りなくて死んだ。

関係ないけどこれ「ごいりょく」って読むんですね。
今日初めて知った。



マールちゃんは画像が全然ないのですが、

衣装のイメージはドラゴンライダーの方ですね。
FoTeなんで魔ールなんですけどAWは両方混ぜてます。




でまあ、先のなりきり関連で不快になりまくったので
転スラ関連に関わるの辞めようかと思ってます。

それにあたり少し前に作ったメイン垢のリムルとサブ垢のディアブロを消そうかなと。
見るだけでも苦い笑いが出るもんで、置いておきたくない。
欲しい方いたらコメなりツイッターなりで言ってくれればキャラクリ素体あげます。






*今やってる別ゲー。

・聖戦クロニクル
オフゲー。RPG。
クラインとフレッドちゃん萌え。イプシロンさん嫁に欲しい。
ネタバレまみれになるのであんまり言えない。からい。


・誰ガ為のアルケミスト
緑川欲しくてリセマラしまくったのち石1500個ためての初心者ガチャ2回目。
一応欲しかったキャラは手に入った。クロエ(6凸)、お菓子14歳。

育成しても育成してもLv33位でパーティ戦闘力700に至ってないくらいなんだけどこれ正常?
とか思うくらいにはへっぽこです。フレンド募集中なので見かけたら誘ってください。


・FGO
やっとこまともな☆5取れたんでちびちびやってます。
両儀式のセイバー強いなこれ……もう一枚欲しかった人生でした。

ちなみに今回の厳窟王イベはロンドンまで行けてないのでやれてません。乙。



・デジモンの新しい奴
リセマラ中。ウィザーモン欲しい……。










見てるか知らないけど
ふっくんへ

仮採用ですがお仕事決まりました

借りたものと借りたぶんは返します

短いですが詳しくは後ほどよろしくお願いします



作成日時:2015/09/22
更新日時:2016/02/20


要望も需要もないけどSAを配布してみる。



*一応お約束事*
・無断転載禁止(する価値ないと思うけど)・
・自作したって言うの禁止(する価値ないと思うけど)・
・改造禁止(する価値ないと思うけど)・
・ゲーム内にて迷惑になる使い方禁止(結構重要)・

>迷惑になる使い方
例:むやみやたらにロビーで連打、頻繁に出る白AWに入れるなど


「あーこのSA広めたい~」とか「使って欲しい人がいるぞ」
とかいう場合はこっそり手渡すか当ブログリンクでも投げつけてください。

お約束事の項見ていいよって方はどうぞ。

ファイルは予告なく消したり、あぷろだ死んだり、なんかミスしたり、
中身追加してアップしなおししたりする場合があるので気を付けてね。







*見本
SA記事直リン:見本のページに飛ばされます
→○:リンク。URL変えれば実はとか言わない

さんざん確認はしてるけど、もし中身間違ってたら言ってね!
ストックしてある変なSA出ちゃう……。

DLパスワード:FootaK



*2016/01/22 最新版
順番はなげやり、作った順番ではないです


セブンスドラゴン2020:キリノ (三枚詰)


ディスガイア2:ティンク (二枚詰)


ヴィーナス&ブレイブス:レオフリー (二枚詰)


ガンダムSEED:レイ・ザ・バレル (二枚詰)※見本多分なし


遊戯王5Ds:ブルーノ&満足鬼柳さん (二枚詰)※満足見本なし


フリーダムウォーズ:プロパ君ハルさん (三枚詰)※ハル差分ないです


ポケモソ:クチート2枚、TOR:サレカットイン、サモナイ5:ダイス(四枚詰)


VIPRPG恍惚なる闇

NPC:ピエトロ

おべんとう

転生したらスライムだった件:リムル、ディアブロ、ミリム


*つかいかた
蛇足のつかいかた説明。たぶん大体の人は知ってると思うけど……。

ZIPを解凍後、 「~.sar」ファイルを
PC>ドキュメント>SEGA>PHANTASYSTARONLINE2>symbolarts>import
にぶち込んでゲーム内シンボルアートメニューでインポートで使えますん。







デストロイ!




元ネタ:転生したらスライムだった件 ミリム・ナーヴァ トレス気味
製作時間:1時間半程


ミリムちゃんの脳筋にみえてちゃんと考えてるところが好き!
従ってるフリしてて感情が表情や仕草に出ちゃったりするところも好き!

とにかく女性陣の中ですごい好きなんだ……すまない……。







ぷるぷる。





元ネタ:転生したらスライムだった件 リムル=テンペスト 表紙絵トレス
製作時間:2時間ほど

うちのリムル様のクリエイトは大体この位の時期のをイメージしてます。
かわいいのに男前。まさに中身はおっさん!!







元ネタ:転生したらスライムだった件 ディアブロ 表紙絵トレス
製作時間:2時間くらい

ディアブロさん。こっちもキャラ作ってます。
頭の回りっぷりとリムル様万歳っぷりが大好き。
魔法使いだと思ったら接近戦もできるとか最狂ですよねー。









SAと小説以外ではお久しぶりです(




*日記
相変わらず自堕落ぬめぬめ生活中です。
体調不良とSHIGOTOがNAI状態ゆえにゆえに。

新しくできるコンビニの求人に応募するかなー……。


あ、最近書いてる小説は久しぶりにいろいろ考えて創作しているつもりです。

ふらっと視点が変わるスタイルなんで読んでるほうが混乱しないか困りますが、
んまーこいつの文章っていつも見ててそんなもんだろうと軽く読んでいただければと思います。


・書きたいけどツイッターでは書けないと悩んでた超絶ネタバレ
ちなみに、天使と悪魔の狭間って見るとわかるんですけど、
 タイトルで既に答えが出ているんですよね。
 ……某天使の行く先とか、子竜の正体は……おっとここは言ってはいけない




*ぴーえすおーつー
ここ数日レアラッシュ。

1日にネメシスのナックル、スレイブのランチャー。
電車トリガーでセイガーソード、クオツタリス。

んでまー今日も今日とて出ました。


ナックルといいランチャーといいソードといい弓といい
対応キャラがいないのに出てきてしまう不具合

仕方ないね! 新キャラ作りましょうか!?
SORE☆TOMOルクちゃん様育てるか!?




・余談
新キャラいっぱい作っていたことをこっそり

まず「転生したらスライムだった件」より
リムル=テンペスト、ディアブロさん

リムル様はBr主軸で育ててます。

ディアブロさんはまだ全然育ててない(サブクラス未開放)んですけど、
カジノで大勝ちして16000コイン稼いでくれたという功績を残してくれました。




そしてあんスタから
日々樹渉

いいショットがなかった。
Su、FoTe、Boあたりやろうかな?って感じですね。
ちなみにその組み合わせ全部既にイルティスとピエトロで通ってます。
何回やればいいんだ……ここまできたらもうきついんだが……。



そして .Hack//G.U.より
エンデュランス。
ノリV゚-W 

エン様は最初期から作りたかったのですが、
それっぽい髪形が一切ないということで見送っていました。

でもまあ、流し前髪エクステとかなんとかいうアクセあるじゃないですか。
それいじったらなんともなんとも!!



微妙にそれっぽくなってしまって衝動で作ってしまったんですよぉ!!



長続きするか知らんけど本編プレイして(やってないのに作ったやつ)、
AW入れていきたいと思います~。

サラダバー。












「……ねえ、兄様」

「……なんだ、ミカエル」

「……西に行けば、街が見えると父様は言っていましたよね」

「……ああ」



「西って、どっちでしたっけ……」





「わからないのに進んでいたのかーっ!!」
天界にいた時よりもずっとざんねんな気がする、そんな我が弟ミカエル。

それだけではなく……。


「あらあらまあまあ、大変ですねぇ」

パーティの一大事――盛大な迷子――を他人事のように笑うマイペースなガブリエル。
夕闇が辺りを覆い隠そうとしているのに、なんてのんびりとしているのだろうか。

「おーい、丁度良くうまそうな猪がいたから狩ってきたぞ~」

ウリエルは早速「冒険者」という設定に順応して、食事の準備を始めている。
私に劣らずの鋭い剣技で、解体ショーを始めていた。

それを見たラファエルは貧血を起こしたらしく倒れ掛かった。

「ああ……血はダメです……って、はぅ!?」

ラファエルが寄りかかってしまったものは、血の臭いに釣られたのかやってきていたもの。
それは――。



    ***



覇王は魔界を庭とする。
その庭を散歩することで魔素を取り入れ、存在を誇示し、そして何より。

「――考えがまとまるのであろう?」

気配もなく、そっとサタンの隣に舞い降りた黒い男。

「……ベルゼブブ、か」

「貴様が眠っている間、魔界は混沌としていた。
 それでよかったというのに、何故今になって目覚めるのだ」

混沌の化身。悪魔という生き物の性。
それをそのまま形にしたもの、それがベルゼブブであった。

黒い長髪をさらりとかき上げ、黒い男は続ける。

「サタンよ、貴様は秩序で我らを、悪魔を縛り上げることはできぬ。
 それをわかってなお――」

「――ああ。言われずとも理解している。
 だがな、これは奴との――親友≪とも≫との約束なのだ」



    ***



ラファエルが寄りかかってしまったもの。
それは――傷付いた小さな竜であった。

気の抜けた声とともに飛び退き、ウリエルの後ろに隠れるラファエル。

「あらあらまあまあ……」

「うぅ……」

「おっと、今日は追加で竜のステーキか?」

最早戦闘狂ではなく、食欲の権化になりつつあるウリエルを制止し、私は小竜の前に屈む。

「お前……親はどうした」

「きゅう、きゅきゅう……」
竜の言語はわからないが、これが神の力なのか意志は伝わってきた。


――この土地一帯を守護していた父竜とその子供。

ある日彼らは大勢の人間に襲われ、父は子を身を挺して逃がし、討ち死にした。
その後、野生の魔物や動物に殺されそうになりながら、ここにたどり着いた、とのことである。


――竜の守護なくして、その土地は栄えない。

そのような愚かな真似をするのか、と人間に対して憤りを覚えるも。
今回の任務は人間の様子を見ることと、悪魔の警戒をすることだ。

「兄様、そんな事するのはきっと悪魔のせいです!
 こんなむごい真似を……許せません!」

「僕もその可能性が高い……と思います。
 ……ごめんね、怪我したところに触って……痛かった、ですよね」

「まあ、どうであろうと俺は戦うのみだがな!」

やる気になった3人。だが、ガブリエルだけは少し違っていた。

「あらあら、やる気のところ悪いですけれど皆さん……この子はどうするんです?」

……そのまま野に放てば死ぬ。さすればこの地の竜の加護は永久に途絶えよう。

そっと目を閉じ思案する。
人間にも、土地の獣にも、加護の重要性がわからないのだろうか。
それとも、この地にじわりと闇の気が覆い被さって来ているのだろうか。

小竜はさっき飛び退いた際に擦りむいたらしいラファエルの手を舐めている。

「ルシフェル様、僕……この子を、助けたいです」

命に関する問題にぶつかった時、この男は頑なに自分の意志を貫き通そうとする。
小さな命も大きな命もなく、一つの生物として大事にする事は、良い所でもあり、悪い所でもある。
しかしそうなったラファエルはもう止められない。

「竜は犬猫の類じゃない、それを弁えておけ」

そう多少きつく言ったあとフッ、と笑うと横から嬌声が飛んでくる。

「兄様ぁぁぁ!!かっこいいですぅぅ!!」

だからその姿のままゆるい言動はやめろ。
そう思いながら手刀を入れるとミカエルは(物理的に)おとなしくなった。





それをちらりと一瞥し、夜空の星を見上げるガブリエル。

「……あらあら、……とは違う結果になりましたね……」

彼の小さな声はルシフェル達に届くことなく風にかき消された。









数時間前、神の間にて――。

「ルシフェル、ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエル、只今参りました」

神は、笑っておられた。心の底からパーティを楽しんだという表情である。

「うむ、そんなに固くなる必要はない」

「ですが」

「今ここには他の天使はおらん、我が愛しき子らよ」

神自らが作った原初の天使、それが私たち5人であった。ゆえに――。


「では、父様。何故にパーティの設営も、参加もしていなかった兄様までもがこのようなことにならねばならないのですか!?」

「わたくしたち、流石に秘密裏に行動していたはずですけれどねぇ」

「オレは楽しそうだったから乗っただけだがな!」

「うぅ、僕、父様にバレた時は流石に胃が痛くなりましたよ……」

――私以外の全員がゆるくなる。
私が何故ゆるくならないのかというと、そうなると誰も話を続けられなくなるからだ。


「あまり認めると調子に乗るので言いたくなかったですがミカエルの言う通りです……」

「あっ兄様ひどい」

「まあ過ぎたことはともかく、お前たちにしか頼めない用事があるのだよ」

神の――父上の手がふわっと私たちを包む。

「下級天使に任せようかと思ったが、あいつ等意志が弱いからな、堕天させられかねんのだ」

「敵はやはり、悪魔なのです?」

堕天という言葉に、ゆるゆるモードから普段のようにしっかり戻った4人は神の目を見る。

「敵、か。そうはあってほしくないものだがな」


神の言葉に私は遠い日を思い出す。
サタン。かつての親友であり悪魔の王。彼と千の昼戦い合い、千の夜語り合ったことを。

この場の天使で私のみが知っていたのだ。

天使と悪魔は、共に神より生み出されし存在という事を。
天界と魔界。天使と悪魔。

≪相容れぬ存在≫となったのはいつのことだろう。

私たちは、あんなに認め合っていたというのに。


「神よ、父上よ」

「何だ」

わかっているくせに、と思いつつも私は続けた。

「もしも――もしもあいつが混沌の根源だとしたら、
 私は私の命を賭けても止めねばなりません」



    ***



現時刻。下界時間、朝の7時頃。

「んぁぁ~!!お腹減った!歩くの疲れた!眠いー!帰るぅ~!」

まるで子供のような駄々をこねるミカエル。
だが、その姿はなんとも言い難く。
私に瓜二つの青年の状態で言われてみろ、頭が痛くなってくる。

「あらあら、ミカエル様、せっかくのルシフェル様にそっくりな美形が台無しですよぉ?」

とおっとりとした笑顔で言うのはガブリエル。
私の名を出すとぴたっと駄々こねをやめた。……どういうことなの。


「そんな訳で、私たちは下界――人間界に降りてきたわけだが、おさらいしよう!」

「わー!兄様!キャラクター設定紹介ですね!!」

――ミカエルの発言はさておき。
神は私たちの冒険者としての「設定」を考えておいてくれたのだ。


最初にミカエル。
駆け出し勇者。ゆくゆくは英雄になりたい青年。
もちろん、神が口出しするまでもなく、私とは兄弟という設定であるらしい。


次にガブリエル。
人間の職業では僧侶。神のシモベとは言うものの、破戒僧、というらしい。
笑顔で魔物を撲殺するわ、酒は飲むわ肉は食うわで大変。
……もちろん、直に言えるわけないがゆるいモードのガブリエル自身もそんなもんである。


三番目はラファエル。
メガネが本体。以上。

……という冗談はさておき、学者と盗賊を合わせたような感じらしい。
とは言ってもこいつは頭が良くても素晴らしくドジなのでトラップの解除成功率は低いのではないのだろうか。ダイジョウブカナア。


四番目はウリエル。
傭兵戦士。戦いを求めていたところ、ミカエルと私に出会い、戦闘力に惚れこんでパーティに加わることとなった、という設定らしい。


最後は私、ルシフェル。
刀を扱う慈悲なき魔法剣士。
悪の道を進み、弟であるミカエルと敵対していたが数多の戦いの中諭され正義とは何たるかを考えるために共に旅することとなった。
……う、うん?ちょっとよくわからないですね?


ついでに言うとミカエルはミカ、私はルイという人間名を考えられていたがそれは遠慮しておいた。

ああ、神が大分昔に話してくれた話にそっくりじゃないか。
あの方までゆるい存在だったのだろうか。そう思うと私は深くため息をついた。


「……という訳で」

「ミカエル率いる冒険者パーティ、えいえいおー!」

「なぜお前がそんなにリーダー然としている!」

「なんでって、私が兄様を説得した勇者だからですよ!」


下界まできて本当にゆるい奴だ……この先どうなることやら。



    ***



その頃魔界では――。



地上にルシフェル――懐かしき友の気を感じる。
そう思い、サタンは、覇王は深き眠りから目覚めた。

「我が眠っていた間……地上はどうなっている?」

近くに仕えていた悪魔、メフィストはお覇王ございます、と洒落を言いつつ微笑む。

「神によって人間という存在が創造され、国や街を作っているようですね。
 そして我が同胞がそれを誘惑し闇へと誘っています」

そして――、

「一筋の光を感じます……かつて、我らが王を打ち破った、強き光……」

やはりか。サタンは満足げに目を閉じる。

「ならば、暫くは様子見だ」

「何故でしょうか」

「あいつは、悪魔≪同胞≫には手を出せんよ」

はてな、となっているメフィストを置いて、覇王は玉座より立つ。
ルシフェルに早く会いたい――逸る気持ちを抑え、久々の魔界散歩に興じることにしたのであった。










始まりはただ、なにもなかった――。

闇もなく、光もない。秩序も混沌も、そもそもそれを生む存在すらなかった。

そんな世界に、神は、一筋の光と闇を生み出した。

天使と悪魔。
相容れぬ存在、何故神は我らを創造ったのだろうか。



    ***



「――兄様、ルシフェル兄様」

世界樹の根元でいつの間にか眠っていた、そんな私は天使ルシフェル。
そして、こっちの喧しい奴は天使ミカエル。そう、こいつは私の弟のようなものである。

「地の文章でいきなり自己紹介を始めるのは辞めにしましょうよ、それよりも――」

いきなりのメタ発言はともかく。もぞもぞとするミカエルに対し、私は思い当たる節を述べた。

「ああ、わかっている。今日も天使会議をサボった件についてか?」

それもですけど、と何故かムッとする弟。一度察してくださいモードに入ると厄介なので、仕方なく、私から聞いてやることにする。

「ミカエル……今日、何かあったっけ?」

――その言葉は、なんでかはわからないが奴の怒りに触れてしまったらしい。

「あーにーさーまーー!?」

三対六枚の翼を表し、光の剣を取り出すミカエル。

その姿は光そのもの。

神に選ばれしもの。

そう――熾天使≪セラフィム≫――。

と、格好良く言ってはみるがこいつは実は見かけほど強くはない。
テンプレなのだ。私の教えた剣そのままに振ってくるだけの。

ぜえぜえ言いつつ私のあしらいを本気と思っているのだろうミカエルは、わざと作った隙に見え見えの攻撃を加えて――。


キィン!と天金の心地よい音が響く。
隙を見た途端まっすぐに突っ込んできたミカエルの剣をはじいたのだ。

所詮わざと作った隙は作ったものでしかない。
弟の剣は、手の届かないだろうところまで飛んで行った。


世界樹の庭の隅で遠目から見ていたガブリエルはおやおやと笑っている。
見てたなら、止めろよ。
その心の声が聞こえたのか、ガブリエルはしずしずと歩いてきて一言。

「自分の誕生日くらい、覚えておきましょうよ」

「兄様の誕生日イコール私の誕生日ですよ!?」

余計な事(ミカエルの誕生日)はともかく、そういやそうだったなあとつぶやくと、ムスッとした弟が告げる。

「今日の天使会議は、あなたと、ついでに私の誕生日パーティだったんですからね」

「な、なんだってー!?」

神にバレない様に会議に偽装していたのです、フフン!
――と、冒涜もいいところなミカエル。


そこに、天界一メガネの似合うだろう天使ラファエルが、文字通り飛んでやってくる。

「ルシフェル様、ミカエル様……あとガブリエル、大変です!」

「あらあら、なんでわたくしだけ付け加えた感じになってるんでしょうかね」

「そんなことはどうでもいい、どうしたラファエル?」

運動音痴で空を飛べばどこかに墜落するラファエルが、空を飛んでまで来たのだ。
何か重大なことがあるに違いない。

「なんと」
「なんと?」
「なんと……」
「なんと?」

早くしろと言わんばかりにミカエルがなんと?の追撃をする。


「なんと……大変申し上げにくいのですが……。 お二方の誕生日パーティ、
 ……神にバレました」

「「な、なんだってー!?」」



    ***



「だから言ったんだ、流石に会議偽装はやめようってよ」

粗野な言い方ではあるが天使の気品を感じる、そんなこいつはウリエル。
戦闘狂だが普段は常識人……常識天使?だ。

「でもあなたもかなりノリノリだったじゃないですか!」

反論するミカエル。ギクリとするウリエル。
そう、ウリエルは「お祭り騒ぎ」が好きだという面倒くさい奴なのである。

下級天使たちには憧れられる四大天使だが、全員がざんねんだった。
――余談だが、私はその四大天使を纏め上げるポジションにいる。何が言いたいかはわかるな?

「兄様どうしましょう、神にバレちゃったという事は」

ミカエルの悲痛な顔と、

「あらあら、怒られてしまうのでしょうかねぇ」

ガブリエルの余裕そうな表情。


誕生日パーティに参加、及び設営などをした名のある天使は実は結構いた。
四大天使のほかに、並べていくときりがない程だが……。

その中の一人であるカマエルが気付いてしまったらしいのである。
天使たちに紛れて、ニコニコ楽しそうにする神がいたことに。

「……神よ、おられたんですね」

カマエルがつぶやいた事実に気付いた天使はもうパニックである。
神に嘘をついて「天使会議」に見せかけた誕生日パーティなどというアホな真似をしたのだ。
それはもう断罪されると思って右往左往するもの、スライディング土下座をするもの、それほどに混乱を生んだ。


「で、神はなんと?」

「……ルシフェル様率いられる四大天使、5名を、下界へ」

「追放処分ですか!?」

涙目でカマエルのネクタイをつかんでブンブンと振るミカエル。
それをそっと手刀でおとなしくさせ、話を続けさせる。

「きゅぅ……」

「ぜえぜえ……私たちが馬鹿やっている間に、神は下界に人間という生き物を作られました。
 まあなんとも言い難いですが……今回ルシフェル様たちは人間がうまくやっているかを見て回ってもらう、という感じになるのでしょう」

それと――、と続けるカマエル。

「最近悪魔の様子がおかしいようなんで、それも見てきてほしいとのことです。
 準備が出来次第、神の間へと来るようにと」

「ふむ、わかった。ではカマエル、我らは支度をするので下がってくれ」

了解いたしました、そう言うと一礼をしカマエルは部屋から出て行った。


そして。

「おやおや……人間ですか、大変なことになりましたねぇ」

「一度でいいから悪魔とやり合ってみたかったんだよなぁ……期待してもいいかね、ルシフェル様」

「ああ……恐ろしさに視界がぼやけて……。って、あれっ?メガネメガネ……」

「あにさまぁ……ミカエルはあにさまのこと……ぐぅぐぅ……」

ああ、全くもって困った奴らを纏めて、私は行かねばならないのだ。
秩序と混沌の入り混じる世界――下界へと。