朝の電車に乗って。
母校の生徒、名も知らぬ後輩達を横目に、
満員電車で渋谷に向かう。
その誰もが眠そうで、だるそうで、
一限に向かうのが酷く億劫な顔をして。
文化祭も終わり、冬の入り口で、
来る季節の香りを憂いながら。
その姿にある無垢の強さ。
何も知らずに走り出すであろう勢いを持った姿。
自分の信念の為なら世界も敵に回せるのだ。
彼らは憂鬱で美しい世界に更に気付く。
何処にだって行けるのだ。
その羽根を持っているのだ。
その姿。負けてられない。
渋谷に着いて、エスカレーターを下り、
風の強い秋の真ん中の空を見上げる。
雲が早い。形が不規則で涙ぐむ。
ああ。ああああ。
世界は、ただそこにある。
何の感慨も持たず、ただただ。
雨の後の風が森の空気を運ぶ。
うっとりとする、あの深緑。
BLUE in GREEN.