ずっと行きたいと思っていた小さなお寺

京都蓮華寺。


門をくぐった途端に涙が溢れて

我ながら戸惑う。


下駄箱には一足も靴がなく

これにも戸惑う。


中に入り

誰もいない庭園を歩き

石仏や草木たちと挨拶を交わす。


やっと来たねと言われ

やっと来たねと返す。 


座敷に正座して

外の風景を眺めながら

少しずつ異次元に繋がっていく。


急に強い風が吹き出して

木々が踊るように揺れる。


千と千尋の神隠しのように

八百万の神々が

喜び迎えてくれているかのようだ。


ただただ静かな時間を過ごした。


他の拝観の人たちがやってきたので

時計を見たら

あれから40分も経っている。



え?



不思議な感じで出口に向かうと

お坊様が

「よくお参りしてくださいました」

とお声をかけてくださった。


出口へ向かう途中

また数人の観光客の方とすれ違い

少しずつ現実に戻っていく。



今日たまたま1人だけの時間ができたこと


イキナリ思い立って行くことにしたこと


バスを降りて

拝観後の人たちとすれ違ってから

次の拝観者が来られるまで

40分以上もの間

1人きりでいられたこと


お坊様から声をかけられたこと


他にも不思議なことが

いくつもあったけど

そのどれもが何かの計らいだと感じる。


いただいた場での

いただいた時間

ただただありがたい。


バスに乗り込み

いつもの自分に戻っていきながら

いつもとは違う振動数を感じています。