オーストラリアでアルバイトをしていたとき。


店長に頼まれてNewsagencyへおつかいへ。

買い物リストの中に黒ペンが含まれていた。

いくつか同じようなペンがあり、同じものを選べる自信がなかったので現物を持参することにした。


近くのNewsagencyへ私は敢えてペンを手に持って入店した。


(これは、自分が持ってきたペンですよ〜)


というアピールです。


レジで支払う際、


「おい、そのペンをなぜ出さないんだ。」


「これは勤務先から持ってきたペンで、全く同じものを買ってこいと言われたので、持って入店した。」

と、店主へ伝えると


「ふ~ん。」


と不満そうな顔をし、

「ちょっと、そのペンを見せてくれ。」

「ハイ。」

「ほぼ新品じゃないか!盗んだんじゃないだろうな。」


万引きを疑われた私は気を落として職場へ戻った。


店長は私の異変に気づき、何があったのか聞いてきたのでNewsagencyであった出来事を話した。


すると店長は、

「今からNewsagencyへ行くぞ。」と私を引っ張っていった。


「おい、ウチの従業員が万引きしたと疑ったそうだが、それは間違いだぞ。この子はそんな事はしない。防犯カメラで確認してみろ。実際盗んでいなかっただろう。

彼女は気分を害したんだ、お前の言い方でな。今度疑うようなら二度とこの店には来ない。」


そう言って店長はNewsagencyを出た。


店長は普段優しくておおらかな人だったが、はっきりと意見をする人でもあった。


「自分に非がないなら堂々としていればいいんだぞ。」


私も普段からハッキリ言う方だったがオーストラリアへ来てからは勝手が違うため少し萎縮していたかもしれない。


「分かった。これからはそうする。」


「そうだ、それでいいんだ。」


あの店長さん、良い人だったなー。