6月末は、株主総会の時期でしたね。
どの企業も決算・事業計画にあわせて、業況や経営目標を発表します。
ここ数年、SDGs目標を掲げる総会資料をたくさん見かけます。
しかも、前倒し達成を誇らしく掲載しています。
MDGs(ミレニアム開発目標)の時代(2001年から2015年)は、国連の専門家主導で途上国の目標が決められ、政府開発援助(ODA)などを中心にした対策が多かったので、企業や私たち生活者が関心を持つまでには至りませんでした。
しかし、SDGs(持続的な開発目標)(2030年目標)は、
技術革新や貧困解消、働きがい、ハラスメントなど、広範で
私たち一人ひとりに問いかけている目標がとても多く、
省エネやCO2 のような環境問題は、その一分野に過ぎません。
SDGsの各目標の背景は、複雑に絡み合っており、相互に影響し合っています。
例えば、目標12「食品ロスの減少」を目指すと、
目標8「資源効率の改善」や目標2「飢餓をゼロに」、目標1「貧困をなくそう」に影響します。
反対に、一つを立れば、他に悪影響を及ぼす例もあります。
目標11「住み続けられる街づくりを」を達成するために団地開発をすると、
目標額15「陸の豊かさを守ろう」を阻害することもあります。
そういう背景から、ある一人が、一方向からの視点で取り組むのではなく、
すべての企業、生活者の一人ひとりが、当事者として、
包括的に17の目標、169のターゲットを目指そうという大きな流れが生まれているのです。
私は、岸田総理大臣が「新資本主義」を目指すと聞いたとき、
先に述べた「風の時代」と
「SDGs]を掛け合わせて、
お金を儲ける「株主資本主義」ではなく、
従業員、その家族、お客様、そして社会全体を含めた
「ステークホルダー「利害関係者)資本主義」(慶應大学の鶴光太郎教授が提唱)
を思い浮かべました。
従業員は、給料というコストではなく、人”財”投資として
スキルやパフォーマンスを上げ、帰属意識を高めることで
間接的に資本家に効果が戻って来る。
社会貢献もコストではなく、
信頼や評判を背景に従業員の自己実現を高め、市場でブランドを作ることで資本家に帰って来る。
こうして、国民・国全体の福祉の向上を目指すことが、資本家の利益になる
という中長期または間接的な資本主義を「新資本主義」というのではないかと思います。
シンガポールホテル協会は、
「持続可能ロードマップ」を作り、2023年度までにCO2排出量等の算出を開始し、
25年度までに60%のホテルがサスティナボイリティ認証を受けるとの目標を掲げました。
ブッキングドットコムの調査では、
サスティナブルなホテルに泊まりたいと答えた人が81%を占めており、
業界を上げて新しい価値観で世界をリードしようとしています。
SDGsは、他人事ではない。
業界として地域社会に範を示すことも新しい資本主義を先取りすることになるのではないでしょうか。