親孝行ってもしかしたら特別な何かをすることではないのかもしれない
はす向かいに住んでいる義父母
ちょっとした用事で子どもたちが行ってもすぐに帰ってくることはまずない
「ま~いっとあがらんね~」
義父母にそう言われ子どもたちはむげに断れるはずもなく,予定がない限りそのまま上り込む
そしてあがったが最後,すぐに帰ることはできない(笑)
子どもたちの好きな物が次から次へと出てくるのだ
あれを食べなさい
これも飲みなさい
それがこちらの夕飯前であったとしてもそんなのお構いなし(笑)
最初のころはそれが嫌でたまらなかった
祖父母宅から帰宅した子どもたちはお腹がいっぱいで
「もう晩ごはんいらない」
ということがほとんどだったから・・・
せっかく作った晩ごはんを食べない子どもたちにはもちろん
こんな時間にいろいろ飲み食いさせるなんて!と怒りは義父母へと向かっていた
しかしだ
いくら近くに住んでいるといっても子どもたちも学校やバイトでなかなか会いに行けるはずもない
二人暮らしの義父母たちの楽しみは孫たちが来ること
子どもたちの好きな食べ物や飲み物を準備し,好きなテレビ番組を録画して,いつ来てもいいようにと準備万端
それがどんな時間であったとしても義父母にしてみれば楽しみ以外のなにものでもないのかもしれない
ならば笑顔で送り出し,帰宅が遅くなっても,おなかいっぱいで晩ごはんを食べないとしてもいいのではないか?!
もしかしたらどこかに連れて行くとか高価な物を買ってあげるとかそんなことができなくても,日々の暮らしの中で義父母が喜ぶことをすること,それが親孝行なのかもしれない・・・いつからかそうとらえ方が変わった
そして今宵も夕飯前に電話のベルが鳴る
「○○があるからとりにおいで」の言葉に祖父母宅に向かった次男,もちろんすぐに帰宅するはずもなく1時間が過ぎ・・・
それを迎えに行った長男,ミイラ取りがミイラとなる(笑)
しばらくしてお腹いっぱいになった二人が帰宅
だが今は「よかったね,じいちゃんたち喜んだね♪」そう素直にいいながら笑顔で迎える私がいる
私の顔色をうかがうことなく気兼ねなくいつでも祖父母宅に行けるように・・・これも親孝行だと思っているから
これも私なりの親孝行の形なのだ
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