きのうの続きでございます
今年最後に見てきたのは、ハラプロジェクトの、パンク歌舞伎、
地獄極楽
でした。
パンク歌舞伎の前身、ロック歌舞伎のことは知っていましたが、見たことはありませんでした。
実は、主催していた、原 智彦さんについても、ほとんど存じ上げず……
なのに、新聞で公演の記事を見たとき、
「ぜったい行きたい」
と、思ったのでした。
で、即効チケットを取りました。
パンク、って言うから、はじけてるのかな、と、思っていたのですが。
なんの、なんの。
内容は、ピュアにピュアすぎる、まっとう過ぎるほどの、表現への情熱がぱんぱんに詰まった、大衆娯楽の正統派のような、すごい骨太な舞台でした
今年72歳になられるという、原さんの静止世界に驚愕。
ほんとに、マネキンか何かのように、微動だにしません。
舞台の流れの中では、ごくわずかでしかない動作を止めたその姿に、わたしは一番心を奪われました。
すごい。
すごい。
物語は、悪行の限りを尽くした平清盛が、自ら手にかけた女2人の霊に取り殺される……というものなのですが。
舞台上に、炎が渦巻くのですが、とにかく寒かった……。
多分、それは、女2人の幽霊のせい
わたし、幽霊が大っ嫌いなんです
この世で嫌いなのは、へびと幽霊
煉獄の火に焼かれている清盛を見ていると、とにかく寒くて寒くて……。
おそろしいわ……。
うん。
いい子にしよう……。
悪いことはしちゃいかん。
そう思ったのでした。
昔、地獄絵図を見せられた子供とか、きっとこんな気持ちだったんだろうな……
でも。
清盛さんを見ると、いつも思うんです。
彼は、そんなに悪人だったのか。
平家はそんなにダメだったのか……。
だってね。
平家って仲いいんですよ。
その反対に、平家を滅ぼした源氏は、仲が悪い。
お互いに殺し合ってますからね。
鎌倉にとことんのめり込んだ時期が実はありまして。
とにかく、殺し合ってる。
平家は、仲いいんですよ。
うん。
平家を見ると、わたし、思うんです。
ああ、ゴットファーザーと同じだわ……。
タリラリラリラリラルルラー
(ゴットファーザーのテーマが鳴り響く)。
そう。
身内びいきで。
成金で。
貧乏だった過去を忘れてしまいたくなる小心者で。
そして、オペラ劇場に行って、撃たれる……。
(見ているかた限定話題)
むかし、平家物語と鎌倉時代に夢中になっていた10代のときは、平家憎しだったんですけど
今は、けっこう、平家が好きです。
平家の仲の良さ、憎めない
そんなこんなで、物語としては、あんまり好きな内容ではなかったのですが、この舞台には惹きこまれました。
音楽は、無国籍。
それが、妙な浮遊感を醸し出して、とにかく現実から見ているわたしを少し浮かせてくれる。
ありえね~~~~。
こんなのあり
なんて思って聞いているのですが、そこがなんだか、絶妙の浮遊感。
怖い話なんだけど、この音楽のおかげで、
「ああ、これは作り話なんだ。
現実じゃないんだ」
と、惹きこまれながらも、心のどこかで、安心していられる。
なにかに似てるな。
あ。
これ。
ドン・ジョバンニ。
そう、モーツアルトの、オペラ、ドン・ジョバンニだ
さあさあ。
自分のしたことは責任を取らないとね。
きっちり裁きが下るんだよ。
でも、この物語は、作り物。
安心して、現実にお帰り。
でも、忘れちゃいけないよ。
現実の中のどこかに、恐怖は忍んでいるかもしれないよ……。
そんな安心と不気味さを一筋残して終わる物語たち……。
う~~~~~~~ん。
パンク歌舞伎を観て、モーツアルトを思い出してしまった不思議。
ハラプロジェクト過去公演も見て見たかった。
シェークスピアに古事記。
泉鏡花ですとな
う~~~~~~~ん。
この舞台を作るのに3年。
次を作るのに、来年か、3年後かはわからない。
と、原さんが千秋楽の挨拶で言っていらっしゃいました。
次回はいつなのかわかりませんが、ぜひまた観に行きたいと思います
ああ。
世の中には、まだまだ知らない世界がたくさんあるのだな。
夢中に何かを作り上げている人が、たくさんいるのだな。
人は凄いな。
そう思った、地獄極楽でございました。
音楽を作っている、永山愛樹氏。
気になっていても、ずっと足を運ばなかった、「橋の下世界音楽祭」を始めた方だったのですね。
そうなんだ……。
ロック歌舞伎と橋の下世界音楽祭。
気になっていたのに、一度として行っていないものに、この日ここで一度に出会う。
不思議で素敵な1日でした
急な誘いにもかかわらず、一緒に行ってくれた友人にも、感謝です。
この舞台、語り合える人がいて、良かった
心から、ありがとう
こちらは、ロビーで知り合った、骸骨の、
「かっぱのさんぺい」君。
頭にのったお皿が可愛かった
ナチュラルメソッド(日常の体の動きを使って弾くピアノ奏法)採用のピアノ教室です。
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