ドビュッシーが流れ出す、名月そしてスーパームーン。 | 愛知県一宮市 ピアノ教室ff(フォルテッシモ)

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夢はピアニスト。日本には、もう住まない!
そう思っていた私の、運命の嫁ぎ先は、お寺でした。

藤原式ナチュラルメソッドで、
楽に表情豊かに音楽を奏でるレッスンをお届けします。

お寺といういつもと違う空間で、
音楽を楽しみ、心をまあるくしてみませんか。

一昨日は、仲秋の名月。
そして昨日は、スーパームーン&月蝕(今回、日本では見られません)。


2日とも、わたしは敷物をひろげて、庭にひっくり返り、月を眺めました。


ぼ~~~~~~~っと空を見るの、得意ですニコニコ。

ほっとけば、1時間でも2時間でもイケます。



しかも、2日とも、綺麗なお月さんでした満月

幸せです。


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(これはきのうのスーパームーン。
雲が多かったですが、それもまた良しニコニコ。



仰向けになって、月を眺めていたら、頭の中に響いてきた音楽。
ドビュッシーの「月の光」。


月の光(Clair de Lune)
ピアノ曲集「ベルガマスク組曲」の第3曲。変ニ長調。
ほとんどピアニッシモで演奏される夜想曲で、優しく切ない曲想で有名。
中間部の優雅な旋律は教会旋法の一種ミクソリディア旋法が採用されている。



月に関する曲はいろいろあります満月



例えば、ざっと思い浮かべても、


音符同じドビュッシーの「荒れた寺にかかる月」(「映像 第2集」より)
音符またまたドビュッシーの「月の光が降り注ぐテラス」(「前奏曲集 第2巻」より)
音符ベートーヴェンの「月光」。
音符シューベルトの歌曲「旅人の月によせる歌」、「月に寄す」
音符メンデルスゾーンの「6つのリートより第5曲「月」」op86-5
音符シューマンの歌曲「月の夜」(「リーダークライス」より)
音符ブラームスの「6つのリート第2曲「月の光」」op85-2
音符ヴォルフの歌曲「明るい月が」
音符シェーンベルグの「月に憑かれたピエロ」

などなど……。


どれもそれぞれに個性があって素敵な曲です。

とはいっても、正直、シェーンベルグの「月に憑かれたピエロ」は苦手汗
音楽史的には有名な曲ですが、積極的に聞こうとは思えないです笑



シューベルトやシューマンの歌曲も、しっとりして良いのですが、
いかんとも、人の声が入っていることが、何か、こう、
人としての感情と言うか、業というか……。
そんな「人間の喜怒哀楽」を感じてしまい、のんびりとは月を眺められません。

ベートーヴェンは、ひっくり返って、なんてとんでもない気がしてしまう。
姿勢をただして、月を拝見し、人生を重く深く考えないと申し訳ない気になる汗

……のは、わたしだけでしょうか?



同じドビュッシーの曲でも、他の2曲は、ちょっと浮遊している感じが強い。
魂が離脱して、どちらかというと、わたしには、「お彼岸の月」のイメージ。
あの世とこの世の交わるところ、みたいな笑

弾いていても、やっぱり浮遊感が湧いてきます。
響きの中に、自分が巻き込まれていくような、そんな感覚。



そんな中で、

「月の光」は、

自分と月の間に、適度な距離感があるのです。

月は、月。
わたしは、わたし。
月を眺めている、わたし。


だから、お月見にはぴったりだな、と思うのですニコニコ。



ビール片手に。
デッキチェアなんぞにひっくり返り。
「ああ~~、綺麗だハート

と、月を眺める。
ただただ、月の美しさを、愛でる。


憂いも。
苦しみも。
狂気もなく。
狼男になることもなく(わたしは女だから、成れないか笑

ただただ、美しさを堪能する。




そんな、日本のお月見には。
ドビューッシーの「月の光」をどうぞうさぎ






演奏は、わたしが一押しの、サンソン・フランソワ。


かの有名な、ギーゼキングの演奏も、ミケランジェリの演奏も、
果ては、エミール・ギレリスの演奏でもダメだったドビュッシー。

そのドビュッシーに惚れさせてくれたのが、サンソン・フランソワでしたおぉ!



わたしの中でのドビュッシー弾きの№1は、サンソン・フランソワですニコニコ。



サンソン・フランソワ

フランス人の両親の間にドイツで生まれる。5歳でピアノを始め、早くから天才といわれた。
1934年、一家でニースに戻った時、アルフレッド・コルトーに見出されて1936年にエコールノルマル音楽院に入学。
1938年にはパリ音楽院に入学、1940年に音楽院を首席で卒業。
1943年に第1回のロン=ティボー国際コンクールで優勝。
1947年にアメリカデビュー、その後も各地で演奏活動を行う。
デビュー直後は好きと決めた作品なら徹底的に勉強した。
「ベートーヴェンは生理的に嫌で受け付けない。モーツァルトなら受け入れてやっても良い」などの発言も残っている。
フランソワの特徴は、ムラ気。ある意味、繊細だったのかもしれない。
次第に酒とたばこに蝕まれていく。
ドビュッシーのピアノ作品全集を完了する直前、心臓発作のため急逝した。
46歳の若さだった。
亡くなった日(以後)も、レコーディングの予定が組まれていた。




さあ。
今年の十三夜(栗名月)にも、この曲を聞こう。




ただし。
ドビュッシーでも、「荒れた寺にかかる月」(「映像 第2集」より)は、
ミケランジェリがオススメポイント。


人間的なあたたかさを感じるサンソン・フランソワの演奏とは対極の、
「月光のこの世とは思われぬ冷たさ」にフォーカスしたような、ミケランジェリの演奏。
ひんやりした秋の夜に聞くと、真冬のような冷たさに全身を覆われます。


そのことについての記事は、こちら右矢印今日の空、そして魔術的な月。

鳥肌の立つ、魔術的演奏に注目ですポイント。