旅が好きです。
旅行ではなく、旅。
国内国外問わず、
旅はほぼいつも一人で行きました。
私の行きたい場所は、
大抵、ツアーでは行けないところが多かったから。
どうしても行きたい場所があった。
その一つがクレモナ。
イタリアですね。
理由は簡単。
バイオリンが好きだったから。
小さい時に、母と見たNHKの、
川の流れはバイオリンの音、が、
強烈に心の中に残っていたから。
宿の予約もなしで行ったクレモナ。
飛び込みで入った宿はドゥオーモ近くのアストリア。
優しいおじさんとおばさんの宿。
夜遅く帰った私に、
「子供がこんな遅くまで出歩くのはよくないよ」
と、指を立てながら鍵を渡してくれました。
ストラディバリウス記念館で聞いた、
ストラディバリウスの音色。
着いたその日に偶然あったコンサート。
その会場で出会った日本人の女性。
クレモナのバイオリン制作学校で勉強していた彼女。
今でも友達です。
ポー川に落ちる夕日が見たい、という私に付き合って、
ポー川まで歩いて行ってくれました。
彼女と約束したのに、
まだ果たしていないことがある。
それは、
ポー川にかかった橋を一緒に渡ろうという約束。
彼女はまだ覚えているかな
クレモナ。
そしてポー川。
もう一度訪れないといけない気がする街です。