富士山登山について備忘録。


登山を初めて、約3年。自分が富士山に登るとは夢にも思わなかった。ここでは記録として記していこうと思う。


初日はほぼ移動。

バスで宿泊先に向かう。


ちなみに事前に行っていた事として、1,000mUPの山を登ったり、日常的なジョグやサイクリングを行った。もう少し体重を絞りたかったが…。


翌日、ホテルから馬返しまでタクシーで移動する。準備運動を行い、いざ出発。



1合目から5合目まではウォーミングアップ。と言いつつ、もっとゆっくり登ると思ったら最初のペースが速くて少し焦る。この辺りは富士山の壮大なイメージはほぼ無く、樹林帯の中を良い勾配で上がっていく。今では朽ち果ててしまった茶屋などを見ながら。



途中にある、大きな桝は浸透桝として登山道の侵食を防ぐものとの事。

しばらく登るとようやく5合目佐藤小屋に到着。



ここまででも普段なら、ある意味上がった感はあるが、まだ半分くらい。テンションの高い女将に気分も上がり、良い雰囲気でひと休憩。ここで念の為コムレケアを飲んでおく。ちなみに今回の登山では、経口補水液3本。水1本を準備。いずれも500ml途中の山小屋で1本水を貰い、ポカリと水を1本ずつ。計3.5Lとなったが、結果的には3L程度となった。結果的に経口補水液が徐々に口に合わず最後には飲めなくなってしまった…。


話は登山に戻り、スバルライン吉田ルートに合流。大勢の登山者と合流。本格的な富士登山開始と共に、山の景色も変わって行く。佐藤小屋で聞いた話、昨日までの大降りの雨の影響で山が洗われた為、砂埃がほぼなく今登るのは良い条件だと言われた事を思い出す。

雨の心配は無いが、標高が高いこともあり雲が山肌を駆けていく。晴れ間が見えた時に見える景色が標高の高さを感じる。河口湖や山中湖。ひたすらつづら折りのルートを登る。7合目辺りから足元が変わり岩場が出て来る。自分ではこの辺りの段差で脚がもつかもたないかだったが、ゆっくりゆっくり登ることで良いペースで上がる事が出来た。(コムレケアも効いた?)途中虹が掛かったり、影富士が見えたり、条件が重ならないと見えない景色がめくるめく映画の様に広がっていく。気持ち的な感動が湧き上がる。




そして8合目の山小屋に到着。夕日は見えないが薄闇と共に広がる景色は最高だ。



疲れた身体を狭い空間に投げ入れる。休む暇も無く、夕食、明日の準備に追われる。夜は夜景や、どこかで開催している花火大会が見える。寒さは今のところそんなに感じない。歯磨きをして、パッキングして、身体を横にすると…。



おかしい。


頭が痛い。


気のせいだ、寝よう。


いや…なかなか寝れない。



頭の芯がズキズキする、いわゆる「頭痛が痛い」である。これが高山病かと思いながら、口を窄め呼吸法を行ったり、体勢を変えたりしたが、なかなか改善せず…。

結局、途中トイレに行ったりなんやかんやでほぼ寝れず。

出発の時を迎える事となる。

不安ではありつつも我慢出来ない事も無いため、何とか身体を奮い起こし登っていく。


暗闇をヘッドライトだけで登っていく。足元は、ザレ場。道幅は下よりも狭い。ただ、ゆっくり登って行くため心肺は心配ない。…シンパイない。


途中からは気温も下がり、ガイドさんからレイヤーアドバイスがあり、上に一枚羽織る。止まって居る時は肌寒いくらいで丁度良いとの事。汗かきの自分でも今回はちょうど良くレイヤリング出来たと思う。また、行動していると頭痛も少し改善された。良かった。

ガイドさんいわく、小屋は基本的に空気が薄く行動している方が改善されるとの事。


少しずつ、山肌に朝の光が入ってくる。朝焼けが今まで見た事がないスケールで目の前に広がる。

雲海。

マジックアワー。

それぞれ、立ち止まり写真を撮る。

そして9合目。

御来光。



最高の景色である。

ガイドさんからも、日の出前の景色はシーズン最高かも?との声が…。

眼下に広がる雲海。

飛行機ではなく、自分の脚で立って堪能出来る最高の時間だ。

今までみた景色のどれよりも最高だ。

朝日を浴びた富士の山も色が変わっていく。昨日見上げた景色に自分が立っている。

凄いところに立っている。



残り岩場が待っている。

もう少しで頂上。

意外と最後気を抜くとやばい事になる。

人生と同じ。

最後まで気を抜かないこと。

そして、ようやく、最後の鳥居。

いわゆる登頂。

安堵と何かわからぬ感情が湧いてくる。


登頂を噛み締める間も無く、朝ごはんに豚汁とご飯を頂く。山頂で食べるご飯は美味い!

ただ、この時にはまた頭に痛みが込み上げている。これさえ、これさえなければ…。


これからの予定としてお鉢巡りが行われる。自分としては下りに体力を残すべく火口だけ見ようと思っていたが、流れで参加することに。

集団心理やばい…。


それでも、何とか体力を振り絞り、山頂郵便、火口部、剣ヶ峰を踏破する。特に馬の背の勾配は見た目がヤバかった。実際にはちょっとの勇気と少しの我慢。




山頂の景色のスケール感は凄い。

言葉には出来ない。

一周2キロ程だが、ここでしか見れない景色である。

自然に出来上がって何万年も変わらずある景色は人間として辿り着けない境地である。

しっかりと目に焼き付ける。



そして、下りである。

途方もない、つづら折りを下っていく。

自身に言い聞かせる様に楽しく下ると本当にちょっと楽しくなってくる。

いわゆるスキー滑走の様な感覚。

本当に本当に、脚がつらなくて良かった。

五合目まで戻り、TVでよく見るゲートを潜りゴール。

ようやく身体も心の腰も下ろせる。



自分の中のハイライトは、8合目付近の景色。

山小屋に着いた時。

寝る前に夜景を見ながら、これは余裕で行けると一服した後から発症する高山病。

そこから何とか登り見た御来光。

意外と山頂の景色では無かった。

というよりも、体調のせいで、山頂に居た時は早く降りたい降りたいという気持ちが勝っていたと思う。


次にまた登りたいかと問われると即答は難しい。

高山病さえ回避できればというのが、今のところの回答。

フルマラソンよりもある意味過酷であり、登山は他の山でも一歩、半歩でも選択を間違えれば、そこに死が手招きしている。

それがフルマラソンやサイクリングとの違い。

自然を前にした時の人間の脆さはちっぽけである。

そのちっぽけでも、頑張れば登頂出来たり、素晴らしい景色を分けて貰える。

いつだって人間は、宇宙の片隅に暮らす小さな小さな生き物だ。

何万年分の1の中で自分が感じた事をこうして記録に残して、また見返す事で、日々の事がちっぽけな事であり、またそんな暮らしの中で頑張っていける糧になれば、今回の登山が有意義なものであったと感じられる。


またこれからも新しい景色を見れるように頑張って生きていく。


最後に、このツアーを開催して頂いたスタッフの皆さん、ガイドさん、ツアー参加者の皆さん、誘ってくれた友人。


1人では登ろうとも思わなかったし、登れなかったと思うと、皆さんのおかげで素晴らしい経験と景色を刻む事が出来たと思います。


thanks.