「モテたい」というのは、ある書籍を読んでの感想でもありました。
先日、とっても素敵な先輩に、非常に貴重な御本をお借りすることができたのです。
それも、私が大好きな作家さんのものだったので、本当に本当に嬉しくて、感謝しきれない思いです。
ですが、ここ1週間ほど忙しくて、しばらく我慢して本棚の最上段に飾っておりました。
隙間時間に読むなどもったいなかったので。
そして昨夜、久しぶりに新潟のお米を自宅で炊いて食べて、疲労感も心地よい中、眠る前にようやく読ませていただきました。
我慢していた分、期待もひとしおでした。
期待は裏切られなかった…。
ものすごく良かった…ぐああああああ。。。
その作品中の、主人公の周りに居る人々が、本当に個性的で魅力的でした。
主人公のように、こんな人達と時間を共有する人生は、さぞエキサイティングであろうな、と。
彼らのような人々に人生で早めに出会いたかったし、そしてこれから出会えたなら嫌われない程度の人間でいたい、できれば好かれたい、つまり一言で言うと、これモテたいという気持ち、かなと。
普段モテたいとか思わない方なんですが、その考えが変わるような素晴らしい作品でした。
いつでも、彼らに出会ったなら、作中のような距離で友人でいれるように、私はモテる素地を持っていなくてはなるまい。
私はこれを「読書体験」と呼ぶのだ…。
作品の内容としては、「執着」「邂逅」「謎」「奇縁」「確執」「雪」「静寂」…
「繋がり」の形を、登場人物全員が天才的な不器用さで模索しているような…
群像劇の体をしているけど、それは必然の設定でもないような…
全員が本当に居そうな、でもいつでも誰かが消えそうな仄暗さがあって…
そして、クライマックスに向かって表出してくる、主人公2人の、冷たい激情に
ぞわっとしました。
あらためて、作者である漫画家さんの、比類なき才能に敬服です。
クリエイター様は、心底、素晴らしい。