レトロワールド | ネムリノソコ

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おたいらに

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最近、ボクの作品に対して「昭和っぽいですね」という感想をチラホラ聞くようになった。

レトロですね、レトロ。

アングラ、アングラ言われてましたが、レトロになりました。

洒落ですよ、洒落。本気の発言にとらないでくださいね、全体的に。

アングラからレトロに行き着いたのか、アングラがレトロなのか分かりませんけどね。

でも、そうなんです。心当たりはあります。
実はまだボクの書く脚本に携帯電話を出したことがありません。

まだ携帯の美しさも醜さも、最終的な(暫定的にも)スタンスが定まらないというか、なんか違和感があるのです。

めっちゃ使ってますけどね、携帯。
このブログも電車の中で携帯で打ってますし。
テクニック的に物語を『回す』のに便利なことは分かるんですけどね。

でも、もう携帯電話がないころ、どうやって待ち合わせをしてたかなんて思い出せないし、
稽古日程の調整なんか、どないしてたんやろう? 自分のことなのに思い出せません。

日常生活において、携帯のない世界はもはやワンダーランドだし、レトロですよ。レトロワールド。

そう言えば、『ダム部のアイちゃん』にも携帯は出てきませんが、お話は地球規模です。

地球規模。

たぶん僕は一生書きませんね、地球規模のお話。
演出のし甲斐もあるというものです。

でも本当はSFもやりたいのです。
アイデアだけは腐るほどあるのですが、筆力が追いつかない。
向いてないんですな、たぶん。

そう言えばアングラ言うたり、アングラ言われたりしてますが、
様式としてのアングラにはあんまり興味がなくて、やりたいこと・美しいと思うことをやったら、世間ではそれはアングラと呼ばれてた、ので宣伝的に作品世界を分かりやすく伝えるワードとしてアングラという言葉を使っているというのが実相に近いです。

世間的なカテゴリーはアングラで、自覚的なカテゴリーは満月動物園な訳です。
ただ「満月動物園っぽいお芝居やってます」で通じる程知名度もないので、「アングラっぽいお芝居やってます」の方がまだ通りがいいというだけのことです。
通りがいいと言っても、お芝居をよく観てる人か演劇関係者にしか通じませんね。

お芝居をまったく観たことがない人から「どんな劇やってるの?」と聞かれて立ち往生することは、ままあります。
誰か、そんな演劇とまったく縁のない方に満月動物園の舞台作品をうまく伝えられるワードを考えてくれませんかね? 芝居とも演劇とも言わず、「劇」と言う言葉で舞台を語る方に伝わる言葉。

とか、言いながら話はグルッと戻って、『様式としてのアングラ』なんてものが世の中に存在するのかは知りません。洒落です、洒落。


レトロでワンダーランドな満月動物園ですが、テーマはいつも『今』に立っています。
描きたいモノ、切り込みたいモノ、伝えたいモノは、いつも『今』です。
「今をどう生きるか」
「今をどう生きているのか」


いやー、洒落でなんとなく書き始めたら、オチはつかんわまとまらんわ。

まぁ、こんなとこで。


◆3月20日(土)19:00/21日(日)11:00 河上由佳一人芝居『ダム部のアイちゃん』 戒田竜治演出/片岡百萬両(ミジンコターボ)脚本 未知座小劇場
◆8月13日(金)~15日(日) 満月動物園第壱拾七夜 戒田竜治演出・脚本 会場:in→dependent theatre 1st