サツマイモ、プロ、ええ役 | ネムリノソコ

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おたいらに

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サツマイモのマイちゃん(命名:ボク、認定:ボク)に、
ムイムイ(虫)がわいてしまい、ツマと二人でオロオロ。

ここはプロに聞こうと思い、農家に生まれ、
農家に嫁ぎ、施設(グループホームってやつね)に
入っても、空いてる土地で色々栽培している、
プロの農家80年(推定)の祖母に聞いてみようと電話。

電話の最初の挨拶は祖母と孫のトーンの声のやりとりでしたが、
ムイムイのことを質問したら沈思黙考。
プロの『声』で回答してくれました。

「食べるためじゃないんやろ?」

「観賞用やろ?」

「じゃあキンチョールかけとき」

キンチョール…。思考の死角をつかれました。
プロの『声』の説得力は重い。
色々な選択肢を「知っている」人が、
ボクの状況を鑑みてだした答えの
『声』はステキに重いのです。

早速、マイちゃんにキンチョール。
元気になってね☆


ここから思い起こした話を2つ。


先日、音響と照明の仕事を受けたのですが、
仕込み図を書いてる段階で「これはヤバイ?」
と、思って、照明は海老澤さん、音響は倉恒さんに
急遽、仕込み増員をお願いしました。

海老澤さんも倉恒さんも、満月動物園ではレギュラー的スタッフさんですが、
出会った頃は年下で、
(もちろん今でも年下ですよ)
言葉を選ばなければ、
頼りない感じもあったのですが
(駆け出しの頃なんですから当り前なんですけどね)、
それがどうでしょう☆

ボクがボーっとしててもスルスル仕込みは進んでいくし、
ボクが気がつかないことも、どんどん教えてくださる。

その『声』はプロの『声』でした。
いつだってどんなときだって、
プロの『声』というものは聞き心地のいい『音』です。

そんな『音』が海老澤さんと倉恒さんから聞けて
ホロリときたボクは、どんだけ後輩好きやねん、と。
ちょっと泣きそうでしたよ。

そんな偉そうなことを言いながらも、
実は現場を離れて長いボクが、
その『音』を「聞ける」ようになっただけかもしれません。

彼らはずっと『プロ』だったのに、
アマチュアのボクがそれに
気がついてなかっただけかもしれませんけどね☆

そう考えると、少し恥ずかしい話。


2つ目。
祖母は完全介護型のグループホームに
入ってますが、それは紆余曲折あってのことなので、
ボクは、その紆余曲折の当事者ではないで、
なんとも言えないのですが、
「中途半端」介護型の施設から、
完全介護型の施設に移ってから、
認知症もすっかり治ってしまったらしく、
(治ることもあるらしいですよ!)
まあ、それなりに楽しくはやってる
「らしい」というのは聞いてました。

それが、先日、実家に帰ったときに
顔をあわせたのですが
(結婚してからは、まだよく会うようになりました)
そのときに、ふと、あと何回会えるかなあ、と。
せめて、たまに電話くらいしようと思いました。

そしたら、ボクが大阪に出てから約10年、
ほぼ音沙汰なしだったのですが、
そんなことはおかまいなしに、大喜びしてくれて、
こんなカンタンなことは手を抜いちゃあかんな、と。

施設に入っているとはいっても、
週に1回だか、月に1回だかは
母(実子)が連れ出してはいるようで、
その時も「電話をくれた」「誕生日
プレゼントを送ってくれた」「ええ子や」
「優しい子や」と話しているらしいです。

遠くに住むもんは『ええ役』もらうもんなんです。
近くに住んでたら、それは『生活』なんですから。

たまにとはいえ、一緒に過ごしている母と祖母に、
話題を提供できてるだけで、なにもしてなかった頃より
だいぶいいんだな、と思います。

いまさら『ええ役』もらって、
ボクがうれしいことはないんですが、
『ええ役』を果たすのがボクの仕事かなぁ、
なんて考えてます。

もちろん、施設には色々な境遇の
お年寄りがいると思うし、
住みにくくはさせたくないので、
適度に、そして出来る範囲で
やれることをしてあげたいと思っているのです。

ツマに指摘されてハッとしたのですが、
誕生日はバラバラの日やから
そんなに気にならなくても、
敬老の日は、同じ日なので
人ごとにハッキリ差が出るから
なんにもしない方が、いいかもね、と。

うーん。そうかも。

そのグループホームは民家を改装した
お年寄り8人くらいとヘルパーさんたちの
共同生活なんです。

ずっと、べったりいられる訳じゃなし、
その場所が祖母にとって居やすい
場所であったらいいな~、と思います。

もっとも、べったり側にいたりしたら、
「働かんか!」と雷を落とす
「プロ」の祖母ではあるのですが。