イニシエーション・ラブ (文春文庫)/乾 くるみ
¥600
Amazon.co.jp

3年ぐらい前に購入していてずっと読まずにほったらかし状態にしていた本をやっと読みました。


「読み終わってすぐまた読み返してしまう」ってところに、「え、なに、どういうこと??」と見事につられて買ってたんですが、忙しくてそのまま放置。そしてその存在すら忘れかけていました。


が、


最近ネットで調べ物をしてるうちに、この「イニシエーション・ラブ」の話題が出てきて、やっぱどうも気になるってことで家中探し回って見つけ出し、1日でどわーっと読んでしまいました。


これがキツクテキツクテ。


読むのにかなり苦戦しました。

大学生の純情な童貞君が合コンで知り合った女の子を好きになって、まぁめでたく付き合い始めるって始まりなんですが、そのなんか、青春っていうか、こてこてにピュアで初々しい感じに終始勘弁してよって感じでした。


ストーリー自体は「トリックがあるよ」っていうのを知らなかったらまず絶対に読み通せないようなものです。

けどまぁ最後まで読んでトリックがわかってしまうと、逆にその表向きのストーリーのチープさが怖さに変わり、途端に深さが増します。そういう意味ではやっぱ面白かったです。


トリックは伏線が結構あるので鋭い人は最後まで読む前に気がつくかも。


私は「マユは絶対胡散臭い」と最初から思ってたんですが、トリックにはぱっとは気がつかず、最後まで読み終わってもはじめは、「ん?ミヤコも浮気してたってことか??」と的外れな方へ考えがいってしまい、しばらくして、「あ~」とわかって納得しました。


でもなんか、私はトリックも全部知った上で最初から読んだ方がよかったかなと思いました。わからずに読むにはあのストーリーはきつかったです(笑)わかった上でなら「あ~なるほど、よくできてるなぁ」と思いながら読めてストレスフリーだったのに。



ちなみにトリックに関してはここにすごい詳しく分析してありました。

http://gonza.seesaa.net/article/2124042.html


ここはさすがに読み終わってから見たほうがいいかもです。


まぁでもマユは・・・弱いからこそたくましいというか。悪女って訳でもないんだけど、うーん。計算の仕方がすごいですね。


まぁでも指輪を合コンにつけて行ったり、それを別れたあとには丁寧に送り返したりってところがマユの可愛いところかなぁと思います。