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号泣する準備はできていた (新潮文庫)/江國 香織
¥420
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やっぱり読書ですかね~。
秋ぐらいにみたくなるのは『号泣する準備はできていた』です。
江国さんの作品は文章自体が詩のように美しいです。短編集なので読みやすいし。
なかでも表題作の『号泣する準備はできていた』は、my favoriteです。単行本で出たばっかりの頃、本屋で5回ぐらい立ち読みした挙句に結局やっぱり単行本買っちゃっいました。だったらはじめから買っとけよ(笑)という思い出の本です。


いやぁ、好きな男から「木のない電飾だけのツリーの夢を見た」なんて言われたらたまったもんじゃないですね。そんな報告いらない(笑)

この二人がもし入籍してたらどうだったのかなぁと思います。気持ちも体もぴったりとマッチしていて、これ以上なんてないと思うような相手。結婚とか、普通の生活の一部になるにはある意味純粋すぎたのでしょうか。文乃ちゃんな生き方には憧れます。


『どこでもない場所』も好き。

私も肉欲に溺れたいと思います(笑)オネェっぽい男の人も好きです。友達になりたい(笑)これ読むと、大人っていいなぁと思います。


『そこなう』も悲しい話ですが好きです。

なんか最初読んだときは「ふーん」って感じだったと思うんですが、最近読み返したら、「おおっ」と思って一気に好きになりました。あの全身から力が抜けるような絶望感。ずっと信じてきたものが実はそうじゃなかったのだと知る瞬間ていうのは、本当に打ちのめされますね。

なんか相手が今まさに浮気している現場を目撃したときより、実はそれがずっと前から続いていたと知ったときの方がぐーんと脱力してしまうもんなんじゃないかと思います。怒ったりする意欲もわかずに。


まぁ、そんなこんなで大人向けの作品です。

静かな絶望だったり憤りだったり、その中での希望だったり強さだったり。静かな中に、いろんなものが詰まってる短編集です。寒くなってきた秋冬にぴったりではないかと思います。