昨日会っていたのに
久し振りねぇ。
と笑顔を向けられる。
よく来たねぇ
とまるで孫でも愛でるように。
私の事誰に見えてるんだろう。この業界のあるある。彼女達の世界を覗いてみたい。
トイレに行きましょうか。
と声をかけると
じっと私の瞳を覗き込んでくる。
先日
寝ましょうか。
と声をかけると、難聴を疑う程に何度も聞き返されるということがあった。
結局彼女の方から
ごめんなさいね。あなたの言っている意味が分からないの。
と言われた。
認知症による失語かもしれない。
立ち上がったり排泄したりはできるのだが、食べる事には一切関心が無いようで、自分から食べようとしないおばあちゃんだった。
もしかしたらこれも認知症の進行で、食べる事や食べ物自体の認識ができなくなっているのかもしれない。
私の瞳を食い入るように見ながら
あなたの瞳、綺麗ね。ずっと見ていたいわ。
と微笑まれた。
あんまり口数多くないし、面白い事も中々言えないけど、誠実にあなたと向き合っていきたい。そう思ったよ。
限りある命だから、どちらかが先にその幕を閉じなければいけないんだけど、その時までこの若輩者を付き合わせてね。