あの時
今日、夫の保険会社に提出する診断書と傷病手当の書類が出来上がっているよと言われ、書類に目を通した。色々気を使ってくれ、すぐに書いてくれる先生に感謝。若い先生たちの活気溢れる病院に行くたびに夫は恵まれていると感じる。ここの病院を紹介してくれたのは、見ず知らずの地のK病院のK先生。薄々は夫が重篤な病にかかっているのだろうと思いながらも、受け止めきれずにいる私に時は待っていてくれない中、一刻も早い治療をと言われ、慣れているところで治療したいと言ったものの、K先生に治療してもらいたいとも思った私。とにかく、スピーディーで経験豊富に見え、物腰の優しい先生と接していると借金してでも先生に治療して欲しいと自然に思いました。受け入れ先の病院を見つけてくれ、最終確認に先生が来たとき、私は自然と先生に、帰ることがいいことなのかわからないと言ってました。もしかしたら、転院先で後悔するかもしれないし、夫は死ぬかもしれない、と思ったら思考停止した私がそこにいました。そんな私に先生は、穏やかな口調で、帰りなさい、とだけ私に言いました。あの時の光景を思い出す度に、目頭が熱くなります。今回の我が家の大事件は、沢山の方々のお陰で支えられています。いつか、夫の闘病記録が書けたらいいな、と思っています。同じ病気の方々が前向きになれるようなものを書きたい。夫も大賛成しています。でも、まずは夫とともに私自身の立て直しも必要なので、時期がきたら、そう思っています。K先生、いつか夫とご挨拶しに行きますね。