ロビン・ウイリアムズの出演映画の中では"Good Will Hunting"も好きです。
舞台はボストン。
孤児で里親からDVを受け里親を転々とした少年期がゆえ情緒が不安定な問題を抱えているものの、天才的な頭脳を持つ青年ウイルがMITの校内清掃員として働いている。清掃中、廊下の黒板に書かれたMITの学生すら解答できない難問をあっさり解き、黒板に正答を残していきます。
そんな天才的な能力を見いだした教授が、なんとか彼の能力を開花させたいと願うのですが、暴力沙汰で刑務所行きとなった天才問題児の保釈条件の一つが彼の心を開かせるためのカウンセリングを受けること。そのずば抜けた知性でことごとくカウンセラーを困らせたあげくたどり着くのがロビンウィリアムズ演ずるショーン・マグワイヤ教授です。
妻を亡くした悲しみに今も立ち直れないショーン(ロビン。・ウィリアムズ)と知性が高いが心を閉ざしたままのウィル(マット・デイモン)との出会い・・・
部屋に飾っている一枚の絵画だけで、ウィルはその博学をもってショーンの心をずたずたにします。
「愛の話をすれば、君は愛の詩を暗唱。自分をさらけ出した女を見たことは?目をすべてを語っている女。君のために天から舞い降りた天使。君を地獄から救い出す。君も彼女の天使となって彼女に永遠の愛を注ぐ。どんな時も・・・癌に倒れても・・・自分への愛より、(自分が)強い愛で愛した誰かを失う。君はその悲しみと愛を知らない。」
「君は孤児だろ?僕がこう言ったら? 君のなめた苦しみはよくわかる、『オリバー・ツイスト』を読んだから。どういう気がする?」
ハーバードのバーで知識をひけらかして女を引っ掛けようとするハーバードの学生を相手にウイルが言います。
「高い授業料払ってこの程度か。丸暗記するくらいなら、公立の図書館ででもできる。」
ハーバード出身(映画の世界に入ったため卒業はしていませんが)のマット・デイモンが自身で書いた脚本だからこそ、本人ウィルがハーバードの学生に放つ言葉が胸に突き刺さります。
「(何かのコピーをあたかも自分の答えのように見せるのではなく)自分で考えて、自分で答えを出す。」
結局この映画の最後にウィルが行き着くところもここにあります。
終盤の2人のシーン。ウィルの過去のファイル(そこには暴力を受けた傷の写真もある)をショーンが持ちながら、
"It's not your fault."
を何度もウィルに繰り返します。その言葉に過去の秘められた出来事が不思議と観ているものにまで伝わってきて・・・そして最後にウィルも号泣しショーンに抱きつきます。
恐るべし、ロビン・ウィリアムズって感じです。あのシーンを他の俳優がするところを想像してみるのですが、誰も思い浮かばないのです。それだけあの場面ほどロビン・ウィリアムズに合った人はいません。
マットが俳優に進むきっかけとなったベン・アフレッドも地元の兄弟みたいな仲間としていい味出しています。
とにかくこの映画は、人と人の触れ合いについていろいろなことを語ってくれる映画だと思います。
この映画の原作を書いたマット・デイモンとベン・アフレッドも今の彼らをみればなるほど…という感じです。
私も自ら答えを出したいものです。
それにはまだ時間がかかりそうです。
写真はボストンの町並みです。レンガの色が個人的に好きでなんてことないビルなんですが撮ってしまいました。

