前世は食事中に死んだ。その時の風景は黒白であり、色はなかった。部屋の隅の方で1人だった。急に風景が白一色になった。
ある時、服屋の試着室の鏡の前で、母と2人で立っていた。生まれる前、母の魂が私の魂に会いに来たのだと思われる。
鏡の中の母を指し、「これは?」と言うと、母は「お母ちゃん」と言った。鏡の中の自分を指して、「これは?」と言うと、母は私の名前を言った。
生まれる前にすでに名前が決まっていたのだろうか。
生まれた直後の事、病院に多くの赤ちゃんがいた。ガラス張りの向こう側に、母が、誰かと一緒に2人で私を探しに来た。
私の現世での、昔の写真が残っている。
