花組DC・KAAT公演「蘭陵王」についての感想(キャラクター別)をまとめました。

まず、個人的に1番好きな高緯から。
皇太子だけど心は女子!綺麗なものが大好き(かわいい…!♡)
これをダンディな男役の代表格とも言える瀬戸さんがやるなんて、一体どうなるのかと観る前はドキドキしていたのだけど、実際に観てみたらめちゃめちゃ可愛いかった。
特に1幕の高緯さま初登場の場面では、男に生まれちゃってつまんない!綺麗なものが大好き♡自分らしく生きるのと歌う高緯さまに一気に心を持ってかれました。
観ている私の心の中は「かわいい!!かわいい!!うわぁ、なにこれ!?かわいすぎる…!」と大盛り上がり。
自分の憧れの高長恭さまが来た時に急いで身なりを整える姿とか、呼びかけられた時の「はい♡」と答える声の可愛らしさに乙女を感じてときめきました。
高緯さまの側についている逍遥君との並びも美しすぎて、この配役にしてくれた木村先生に心の底から感謝です。
高緯さまと逍遥君の絡みで1番好きなのは、長恭さまと段韶さんが手合わせをしているのを後ろで見ているところ。
無邪気に長恭さまを応援している高緯さまと、そんな高緯さまを守るように立つ逍遥君とか、楽しそうに2人で話している姿とか、逍遥君の後ろに隠れながら、チラチラと戦いの行方を見る高緯さまとか、とにかく萌えしかない!!
そんな感じで、1幕の高緯さまはひたすらかわいいです♪

2幕冒頭では逍遥君が見守る中、高緯さまが海が見てみたい〜と歌うのですが、楽しそうに歌う中でも時折寂しそうな顔をしているのが印象に残りました。
自由奔放に振舞っているように見えて、自分の立場とか、周りからの目とか、色々と考えたり悩んだりもしていたんだろうな…と考えて切ない気持ちになりました。

その後高緯さまが出てくるのは、逍遥君を殺害した罪で捕らえられた蘭陵王を自身の寝室に呼んだところ。

なぜ逍遥君を殺したの?
私と彼は身も心も愛し合っていたのに。逍遥君が死んじゃって心から許し合える話し相手がいなくなっちゃった。と蘭陵王に詰め寄る姿が痛々しくて…。
たぶん高緯さまは逍遥君が蘭陵王を殺そうとしていたことを知らないんだろうと思う。蘭陵王も何も言わない。元はと言えば逍遥君が悪いのだと言っても良さそうなのに、愛を知ったからこそ、愛する人を亡くして悲しんでいる高緯さまをさらに追い詰めることはしたくなかったんだろうな…と思う。

そんな愛しい逍遥君を殺した蘭陵王を助けてあげようか?と言う高緯さま。
そこで蘭陵王は幼い頃に出会った長者や盗賊に何をされていたのかを理解し、高緯さまにキツイ言葉を言って拒絶する。
ここの言葉は高緯さまに向けたというよりも、過去の人たちに向けた言葉だったのかなと思いました。
高緯さまの言葉で、過去に自分がされていたことの意味を知り、怒りとか色々な思いが湧き上がってきて、それがあんなにキツイ言葉を投げかけさせたように感じました。
言ってしまった後に蘭陵王が辛そうな顔をしているのもそういうことかなぁなんて。都合が良い考えかもしれませんが…。

助けてあげようか?と言った後に蘭陵王に縋る高緯さまの表情を見ていると、助ける代わりに身体を手に入れようとか考えている訳ではなく、ただただ寂しくて誰かに縋りたかったのかなと思います。
私ならあなたを助けることができる、だから私を見て!私のそばにいて!という気持ちが強くて、取引をしようというところまで考えていなかったんじゃないかと…。
でも立場が弱い者からすると、悪気があってもなくてもされたことに変わりはないんだろうなぁ…。自覚がない方がタチが悪いのかもしれない。
なんだか切ないです。

この後の高緯さまは、周に国を攻められて幼い子に皇帝の位を譲り逃げた、とナレーションで語られ、その後ろでは舞台上をフードを深く被った男がよろよろと何度も倒れながらも進んでいくのですが、この男を演じているのが瀬戸さん。
プログラムには「大将」と書いてあり、高緯さまとは書いていないですが、わざわざ瀬戸さんを配したということは、それが逃げている高緯さまの姿だと考えることもできるんですよね…。
あれが高緯さまなのだとしたら、なんとか逃げ続けて、海まで辿り着いてほしいなと思いました。
ずっと見たかった海を見て、そこから新しい人生をまた歩んでほしいなーなんて思います。都合が良すぎるとしても、あのまま行き倒れて死んでしまうとは思いたくない…!

観る前は、まさかここまで高緯さまを好きになるとは思っていなかったのですが、高緯さまはすごく魅力的な人で、見れば見るほど愛おしさが止まりませんでした。
ここまで魅力的な人物になったのは、ひとえに瀬戸さんの実力だと思います。
逍遥君と一緒にいるときのキュートな高緯さまもものすごくかわいいですし、皇帝になってからの孤独感とか、蘭陵王に縋る時の胸が締め付けられるような表情とか、役者としての瀬戸さんの凄さを見たように思います。
高緯を経て、次の大劇場公演での男役瀬戸かずやさんを見るのが楽しみでなりません♪