音楽高校で勉強をすること。
私が、初めて自分で決めた進路です。

高校でフルートを勉強していた時に学んだこと、影響を受けたこと…たくさんありすぎて、一度には書ききれません。

私は、残念ながら音楽専攻の学生としては、優秀とは言えませんでした(/_;)
周囲に期待される生徒ではなく、自分自身でもそれをよくわかっていました。その後、音大には進まないという選択をし、大学の文学部で学び、会社員になり、現在に至る。

ということで、高校でフルートを学んだことは、一見ムダなことのようだけれど、高校時代が私にとって、いかにかけがえのない時間であったか。
本当に多くのものを得られた時間でした。

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高校生活で得たもの。
高校で学んだことが、今フルートを吹くうえで、とても役に立っているというのも、もちろんあります。

でも、最も大きいのは音楽を志すクラスメイトたちに会えたこと。そのクラスメイトみんなが(程度の差はあれ)音楽を愛し、上達するために一生懸命努力する環境にあり、実際に努力していたこと。

子どもの頃の私は、おとなしくまじめな一方で、頑固。頭のかたい優等生というタイプで、高校入学まで、同級生たちにあまり馴染めないタイプでした。

すごくつらい思いをしたわけではないし、友達はいたけれど、【みんなが興味を持っていること】にはほぼ興味がなく、陽気に騒ぐのが好きではなくて。
いつも、少し疎外感を感じていたし、馴染んでいないことを意識していました。(実際、馴染んでいなかったでしょう)

そんな私が、高校で出会ったクラスメイトたちは、入学した時点で『音楽を勉強する少数派になる』ことを自分で選んできた子ばかり。
同じ興味の対象を学びながら、ひたすら練習する日々は、とても楽しかったです。

同時に、ライバルでもあって(実技の成績で、明確な順位が示される)、嫉妬や憧れ、くやしさ、負けたくない…といった複雑な気持ちもありました。

通学に時間が掛かったり、実技や学科の試験に追われたり、レッスンの課題に苦労したり、いつも練習しなきゃという焦りがあったり…と、大変だったことは、いくつも挙げられます。

でも、この高校に行かなければよかったと思ったことは一度もなく、当時も今も行ってよかったと思っています。

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高校を卒業してから20年近く。
今も仲の良い子や、一緒にアンサンブルをしてくれる子がいます。 疎遠になってしまったクラスメイトも多いけれど、今でもそれぞれの分野で頑張っているクラスメイトを見かけると、「わぁ、頑張ってるんだなぁ」と嬉しくなり、応援する気持ちと、励まされる気持ちになります。

そして、私自身が今、まがりなりにも音楽とまじめに向き合う中で、高校生活で経験したことの有りがたさをかみしめています。