『広島原爆 魂の撮影メモ』と言う映画を見て来ました。


 発端は新聞の一コマ。初の映画撮影メモ見つかるの タイトルにふと目を止めたことに始まります。

場所は御茶ノ水駅近くのアートギャラリー、上映は最終が6時から。会社の終業後で間に合う!行って見たいと思い、若い社員も見たいと言うので一緒に行くことに。


 映画は1945年、原爆が投下された1か月後から国の学術調査団の植物の記録を担当したカメラマン、鈴木喜代治さんの克明な撮影記録と、現存するフィルム、そして氏のお孫さんである同じくカメラマン能勢広氏がそれに重ねて現在の広島の風景を撮影し、編集されたもの。


 この30分にまとめられた記録映画は、不思議なご縁が重なって完成したもので、今年、2017年3月に文部科学大臣賞を受賞しています。


 不思議とは、鈴木喜代治氏が亡くなったあと、その撮影記録はタンスに入ったまま曲折を経て、70年もの歳月を経てこのお孫さんの手元へ。


 また、フィルムは撮影後米軍に没収され 二十余年を経て日本に返還された 幻の原爆映画と言われるもの。

 

 会場では能勢氏のあいさつが有り、そのお話によると、ご縁に加え、タンスを長い間大切に保存して下さった方から戴けたご好意、またフィルムの版権所有者が数百万円もすると言う使用料を一切無償で使わせて下さったとのこと、不思議に積み重なった大変なご好意があって完成されたものとのことでした。


 終わってから、ちょっと質問などさせて戴きましたが、大変良いお人柄で文部科学大臣賞を受賞された立派な方なのに、ニコニコ気さくにお相手して下さいました。

 このお人柄が、良いご縁、そして人間の持つ好意と言う心を引き寄せているのでしょう。

 

 運と言うものが有りますが、タナボタ式のものも有りますが多くの運はこうしたお人柄、努力、精進の積み重ねがご縁となって、招き寄せているものだなと実感しました。


 これからも大いに頑張って良い作品を作り続けて下さい。


 ありがとうございました。

 

 

  

  映画のパンフレットから      会場にて、受賞の能勢氏

 

 

 この映画を見て(二度見に行きました)一般に原爆映画と言うと、何んらかの意志主張が強く込められているケースがほとんど。いや全てと言えそうです。


 この映画ももちろん根底には原爆の影響を取材記録し、語らずともその恐ろしさを現わしている、これにつきましょう。でも、その主張が全く前面に現われず、まさに淡々と撮影され、70余年を経てまた、お孫さんの手で淡々とまとめられていると言うところが特段の特徴かも知れません。


 この映画は直接は何も語らず、しかしその恐ろしさは客観的に確実に伝えられている。もちろん手法、技術など色々な要素は有りましょうが、そこが大臣賞受賞の実力かもと思いました。