国産旅客機YS-11が企業に引き取られ保存されることになったのに続き、一葉ゆかりの質店の建物が保存有効されることになり、まずはほっとしております。

 今の私達からすると、おそらく想像を絶するような厳しい暮らしを強いられつつ、この質屋さんに通い、毎日を凌いでいたといいます。

 そして病み、この世を二十余歳で去ってしまった。思うだけでも可哀相です。

 その間に にごりえ、たけくらべ、十三夜などの名作を世に残しました。今の世の中なら、その才能に何らかの応援も得られたかも知れないのに。ただただあわれに思います。

ずっと後の世に五千円札にまでなったなんて、皮肉と云えば皮肉なことかも。

 それにつけても、至れり尽くせりの今の世の中に彼女の三倍も生きていても、何一つこの世に残すようなことが出来ていない自分、ちょっと残念なような、申し訳ないような。









          

          数十年前に読んだ

          にごりえ、十三夜







一葉の五千円札